74シリーズでの設計:ドモルガンの定理とカルノー図法

 前回トランジスタ技術の最新号の感想を書いた。74シリーズということで、思わず、最新号を買ってしまった話である。その昔、デジタル回路を設計すること=74シリーズを使うこと、であった。
 74シリーズには、AND、OR、NOTなどの基本的な論理回路が用意されている。逆に言えば、それしか用意されていない。現実の設計では、複雑な論理式を実装しなければいけないことがある。その時に、74シリーズで提供されている論理だけで実装できるようにするのに活躍したのが、ドモルガンの定理である。
 これを使えば、一応、動くモノは作れる。でも、使うチップの数を減らしたいので、もっと工夫したい。その時に使う手法がカルノー図法である。今さら、こんなものを、設計の現場で使っている技術者はほとんどいないだろうけど。
 これらの論理式を複数用意し、NOTは7404で、NANDは7400で、と実際のチップに割り振る。7404は、1パッケージに6回路、7400は4個入っているので、その数を数える。NOTが7個、NANDが3個必要となると、そのまま対応させると、7404が2個、7400が1個必要だ。だが、NANDは入力をショートさせるとNOTとして使える。そういう工夫をすれば、7404を1個、7400を1個で済ますことができる。
 ハードウエア記述言語を使えば、そのまま論理式を書けることを、人間が頑張ってやった時代があった、という単なる思い出話である。