植物でおおわれた住居には蚊も大量に来襲する

 「都会の楽園」のはずが…緑あふれる集合住宅、蚊の来襲でほぼ無人に 中国は、人間の設計能力の限界を思い知らされる。植物におおわれたマンションというのは、ちょっと聞くと素晴らしいように思える。でも、実際に作ってみると蚊が大量に来襲したらしい。よかれと思って設計したことが、思いもよらないことで逆効果になるというのはよくあることだ。しかも、それは設計段階ではわからない。実際に作ってみて初めてわかる。でも、これが住居じゃなあ。

いざという時のソフトウエア仕様は単純な方がいいなあ:高機能化するとバグがある

 備えのつもりが裏目に、フェイルオーバーの高機能化が被害を広げるを読んで思ったのは、よくあるパターンだなあ、ということである。フェイルオーバーというのは、いざという時の備えである。これは、本当は極力単純にして、必ず動作するようにしないといけない。しかし、運用とか考えると、どうしても、いろいろと機能を追加したくなる。そして、一見素晴らしい高機能なフェイルオーバーができあがる。しかし、いざ、本当に動いてもらわないと行けないときに、動いてくれない。そうなってしまう。
 私は組み込み屋だから、フェイルオーバーについてはよくわからない。でも、通信の異常処理では、いろんな経験がある。異常処理で復旧してもらわないといけない場合に限って、異常処理がハングアップするのである。
 異常処理は、実際にはなかなかテストできない。だから、実際のところ、リセットかけにいくくらいの単純な処理にしておかないと、かえって大惨事になりかねない。

Intelのフラッシュメモリー事業売却:ハイエンド品は残すらしいがうまくいくのかなあ?

 Intel、SK hynixにNANDメモリ事業を90億ドルで売却へという記事で少し疑問に感じたことがある。全てのフラッシュ事業を売却するわけではないようだ。ハイエンドの製品は残すらしい。技術有意性があるからだろう。
 でも、そんなうまいこといくのだろうか?事業において、ある製品ラインナップの高付加価値だけ自社に残すというのは、よくある選択である。でも、なぜかうまくいかないことが多いように思える。結局、メーカーというのは、ボリュームゾーンの製品の競争力がなくなった時点で、その製品は売れなくなるように思える。

μC/OSがオープン化していたとは

 μC/OSは、組み込み界では老舗のRTOSだ。その頃からRTOSはあったが、高価であった。そこに登場したのがμC/OSである。ソースコードありで、一度購入すると、年間利用料が不要というものだった。結局、製品には使わなかったが。
 買収の果てにオープンソース化した「Micrium μC/OS」、実は使い勝手がいい!?によると、オープンソース化されたらしい。記事によると積極的なオープンソース化でなく、Silicon Labs社がサポートを投げ出した結果のようだ。まあ、今やRTOSといえばFreeRTOSなので、どう頑張っても収益化は難しいということだろう。
 でも、昔からあるものだけに、しかも、最初の原点がRTOSの実装を実際に示して見せた本だっただけに、ドキュメントがしっかりしているようだ。記事でも書いているように、実はこちらの方が使い勝手は良いのかもしれない。

本人確認の本命はマイナンバーカードなんだろうけど・・・

 ドコモ口座問題であらわになった「本人確認」の誤解を読んで、本人確認の難しさを実感した。たぶん、まともにやろうとするとマイナンバーカードだろう。発行時に本人確認しているし、カードを使えば認証できるし。でも、どこまで頼りにできるんだろうか?技術的には一番だと思うけど、印象が悪すぎなんだなあ。

トランジスタ技術11月号の特集は「実験・研究で役立つ ハンディ計測アナライザ」:計測というのは組み込みの勉強になることを実感

 トランジスタ技術 2020年 11 月号の特集は、「実験・研究で役立つ ハンディ計測アナライザ」。カラーLCD搭載の安価なM5Stackを使ってディジタル・オシロやカーブ・トレーサを作るという特集である。本当に実験・研究で役立つ計測ツールになるのかは、少し疑問だが、勉強にはなる。
 たとえば、M5StackのA/D変換の性能を評価し、直線性がいい領域でのみ計測に使うようにするとか、M5StackのA/D変換では精度不足なところはI2CのA/D変換器を接続して使うとか、測定原理・測定精度に合わせた設計がなされていて、そこが勉強になる。

国勢調査:私はインターネットで回答済みだけど

 国勢調査は国民の義務である。だから回答しないという選択肢はない。でも、回答の仕方はいろいろだ。ネットでの回答は37.9%だという。まあ、こんなものなのかもしれない。ネットの面倒なのは、結局パスワードを設定させられることだ。期日までに内容変更するときは、このパスワードで、というパスワードを設定させられた。回答は、簡単だった。それほど悪いUIではない。

IntelがARMコアのマイコン:ARMがNVIDIAになったらやめるだろうなあ

 IoTエッジ向けArmコア内蔵x86プロセッサー、Intelが発売を読んで、Intelでも組み込みにはARMも使うんだと驚いた。本当に、ARMは現在の所デファクトだ。でも、ARMがNVIDIAになったら、さすがにIntelが使うことはないだろうなあ。それを思うと、次のデファクト争いは、意外に早いかもしれない。

プロダクトデザインでどこまで冒険するか

 Zoomはセキュリティーを犠牲に勝ったのか、プロダクトデザインの理想と現実は、面白い指摘である。セキュリティーをあまりに気にするあまり何もできないプロダクトを作っても売れない。実際に、市場に出して、問題がある部分を大急ぎで対処すればいい、という指摘である。
 私も基本的には賛成だ。基本的には、というのは、人命に関わる場合は別だし、ソフトをアップデートできないような組み込み機器では、どうしても安全よりにせざるを得ないと思うからだ。直接、お金に関わる部分も、かなり慎重にすべきだろう。
 結局、全てに正しいものというのは存在しない。トレードオフの取り方を含めて、市場が判断するということだろう。