Interface1月号の特集はステレオ画像の画像処理:立体視により画像処理アルゴリズムの効果を体感するという企画は斬新

 Interface 2022年 1月号の特集は「ステレオ画像の画像処理」。特集名が地味すぎてわかりにくいが、実は、画像処理の効果を立体視によって体感するという斬新な企画である。両眼視用のVRメガネやVRグラスを用意(100均グッズでも作れるらしい)を用意すればスマホでも試せる。
 百聞は一見にしかず、ということである。
 新年号の通例の通り、コンピュータ手帳が別冊で用意されている。

C言語:externの型間違いは検出してくれない-あたり前だが・・・

 グローバル変数をuint_16で宣言していた。それを異なるファイルでextern intで参照してしまった。32ビットマイコンなので、intは32ビットである。当然、おかしなことになる。
今までこの手の間違いはやったことはない。externで参照する時には、必ずもとの宣言をコピーして使っていたからだ。ところが、今回に限ってなぜかこんなことをしてしまった。
 半日ほど無駄にして、なんでコンパイラが検出してくれないんだ、と思ったのだが、コンパイラで検出できるはずはない。ファイルをまたがる変数はリンカの仕事だからだ。でも、リンカの仕事は、基本はアドレスの解決である。この手のミスのエラーメッセージを期待するのは間違っている。C言語は、本当にやっかいである。

たこつぼでいい:そうかもしれない

 たこつぼ、は、あまりいい意味では使われない。でも、前向きに「たこつぼ」に入ろう、令和の技術者の働き方という記事で、面白い見解が紹介されていた。少し引用する。

 こうした時代だからこそ、現場の技術者はそれぞれ専門分野を極めるために技術を磨く。むしろ能動的にたこつぼに入って自分の仕事に集中する。それくらいの心持ちで働くことをお勧めします。

 うーん、そうかもしれない。特に、技術者はたこつぼが好きだ。こんなことではダメだ、という論調があるが、それでもいいかもしれない。
 私も、結局はたこつぼで仕事をしてきたが、別に後悔はない。定年時に、再雇用を選ばず、転職したが、今でもたこつぼで楽しく仕事をしている。

ザイログZ80伝説:製作記事だけでなくザイログの歴史も興味深い

 著者の同様の書籍モトローラ 6800伝説に関する感想を前のブログで書いたことがある。
 あの書籍は、製作意欲をそそる内容で、実際に6800の基板を組み立てて楽しむことができた。今回の書籍も、そうした製作記事もあるが、どちらかといえば、簡潔にまとめられていて、ザイログをめぐるマイコン史の方に力点か置かれている。
 Z80といえば、NECの名機PC8001に搭載されていたマイコンである。私は6800派だったので、8080には興味なかったのだが、DRAMのリフレッシュ回路を搭載したZ80には興味があった。PC8001を持っていたが、結局はBASICでしかプログラムを作らなかった。そのうちPC9801に移行して、Z80との接点はなくなった。
 そんな、あんまりZ80との接点はなかった私にとっては、製作記事よりも、マイコン史の方が興味深く読むことができた。本の中ではさりげなく書かれているが、Z80だけでなく、Z8000やZ8の基板まで製作するというのは、素晴らしい。例によって、部品を集める根性があれば、基板は入手できるので作ってみることはできる。

安全性評価に用いる指ダミー:大企業らしい取り組み

 人の皮膚を再現した「指ダミー」でけがのリスク評価、パナとトヨタが共同開発の取り組みは、大企業らしい正攻法だ。けがの試験は、実際には難しい。人で試験するわけにはいかないからだ。
 そのために指ダミーを作って、評価するとういのは、正攻法だが、手間のかかる話である。こういう成果を是非とも標準化してほしいものだ。

開発設計リーダーの心得:25もあるとは

 開発設計リーダーの25カ条 挑戦も正確さも求められる人材は力のこもった記事だ。この著者の記事は、現場を知り尽くした人の記事として、いつも楽しみにしているが、今回の記事は、設計リーダーの責任と、やりがいとが端的にわかる記事である。全てが同感というわけではないが、ほとんどに共感できる。過去の自分を振り返って、こういうリーダーだったかは難しい。でも、こういうリーダーを目指していたことは確かだ。こういうように、文章で明確化してくれることで、ありたい姿を描くことができる。