マスタースレーブという用語がなくなる時代

 「マスター」「スレーブ」は”死語”に 技術による偏見への向き合い方という記事に、「マスター」「スレーブ」が死語になるということが書いてあった。差別用語として、「リーダー」「フォロワー」という用語へ変更するようになってきているらしい。
 英語圏だと、マスタースレーブという言葉が、そのまま奴隷と主人という語感になるのだろう。非英語圏の技術者である私にとっては、マスタースレーブは単なる技術用語である。だから、逆にいえば、「リーダー」「フォロワー」に変えてもらっても、それで通用するならかまわない。でも、切り替えるのは大変だろうなあ。

小さくはじめて小さいままで終わる:よくあること

 「小さく始める」が「小さいまま終わり」に、SAPが第4次産業革命で訴える危機感という記事の題名を見て笑ってしまった。よくある話だからである。新しいことをするには、スモールスタートではじめるのがいい。それは、その通りである。でも、どこかで、大きくするか、やめるかの決心が必要になる。でも、えてして、その決心がつかずに、いつまでも小さいままで、そのうち忘れ去られて終わってしまう、というパターンがよくある。

マイコンの仕様が重要だった時代:少し前は開発環境

 インテル 世界で最も重要な会社の産業史を読んだ。本の感想は、別のブログに書いた。これを読みながら思ったのは、かつては、マイコンの仕様が最も重要「だった」時代があったということである。
 昔は、何かやろうとすると、外部のインターフェース回路を接続しなけらばならなかった。シリアル通信ですら内蔵していなかった。ソフトウエアはアセンブラであった。そんな時に、使いたいチップとのインターフェース回路の設計が簡単で、アセンブラソフトを素直に書けるマイコンを選択したい、というのが開発の要望だった。
 今は・・・。正直言って、マイコンの仕様は、どんな通信インターエースを搭載しているか、ROM・RAMの容量は、という程度である。それさえ満足していれば、後は最も重要なのは開発環境になっている。
 というのは、実は実態と違っていて、開発環境重視は、もう既に終わっている。AI等の最先端なら今でも重要かもしれないが、私がやっているLANとRS485の通信という程度の機器であれば、どんな開発環境でも、立派なライブラリーが無料でついていて、開発環境もJTAGデバッガの治具以外は無料である。
 なので、今では、一度使ったマイコンの環境に不満がなければ、他の開発環境へ移るのがイヤなので、使い続けるという状況である。
 時代は、どんどん変わっている。開発者は、追従しなければならない。

なぞることでUIが変わる:やってみないとわからない知見

 汎用性はキーボード入力に匹敵、なぞって伝える三菱電機の「しゃべり描き」は、実際に作ってみて、使ってみて、その経験から知見を得るということの重要性がよくわかる話である。
 ものは、スマートフォンやタブレット端末の画面を「なぞる」ことで、ユーザーが話した言葉をテキスト化して表示するという技術だ。これが、専門家から「認識精度が高い」「レスポンスが早い」という評価を受けている。でも、使っている音声認識エンジンは、普通のサードパーティー製のエンジンらしい。でも、「認識精度が高い」「レスポンスが早い」というのは、「なぞる」という独特のUI方式にあるらしい。これには、驚いた。やってみないと絶対にわからない知見である。

マルウエア「Emotet」のC&Cサーバーが壊滅:これだけ大がかりな作戦が必要ということがびっくり

 最も危険なマルウエア「Emotet」が壊滅、アジト急襲のウクライナ警察が見たものは、読み応えがある。C&Cサーバーといって、抽象的な話で、実世界ではどのようになっているのかわからなかった。それが、世界各地のC&Cサーバーの拠点を一斉に検挙するという中で、実際に公開された画像を紹介している。
 これだけの多国籍のサーバーを運用するような連中がサーバー犯罪を引き起こしているのかと思うと、ぞっとする。

米国の水道施設がハッキング:でも、これじゃあハッキングされても当たり前

 水道施設に「毒混入」狙ったサイバー攻撃、お粗末すぎるセキュリティーの恐怖は、本当に怖い話である。水道設備にハッキングされて、もう少しで大惨事になるとことだったということだからだ。でも、この施設のセキュリティもひどすぎる。リモートアクセス用のパスワードは1つのパスワードを全員で使い回し、PCはファイアウオールなしでインターネットに直結、PCのOSはWindows 7。今時こんなひどいところがあるとは思っていなかった。
 でも、そんなものかもしれないとは思う。コスト削減ばかり言われている職場では、IT環境などにお金が回ってくるはずもない。だから、昔のリモートアクセスがそのままになっていたのだろう。

セールスフォース「設定不備」問題:いったいどこまで広がるのか

 9つの自治体で不正アクセスの可能性が明らかに、セールスフォース「設定不備」問題というのは、少しびっくりした。自治体もセールスフォースを使っていると初めて知ったからである。なんとなく、企業の営業が使うモノだと思っていた。広く使われているらしい。
 それにしても、これだけの組織が設定不備をしでかすというのは、セールスフォース側にも問題があるとしか思えない。