パナソニックがクラウドファンディング:大企業がクラウドファンディングを使うな

 パナソニックがクラウドファンディング 大企業の弊害、打破できるかを読んでうんざりした。最近、大企業がクラウドファンディングを使うケースを結構目にする。そんな時に必ず言われるのが、大企業の弊害で商品化できないものをクラウドファンディングを使って突破するという話である。
 そんなことをしないと、大企業病を打破できないなら、大企業病でつぶれてしまえばいい。資金はないが、言いアイデアと技術力のある人たちが商品化するためにこそ、クラウドファンディングの価値があると思う。
 金も人もある大企業は、大企業としての仕事の方法があるはずである。少なくとも、大企業病という弊害くらい、自分たちで何とかして欲しい。
 とはいっても、どうしようもなく腐った層がいて、大企業を蝕んでいることは、大企業にいたことがある私も理解できる。でもなあ、である。

やっぱり量子コンピュータは理解できない

 量子コンピュータのプログラミングを体験、その難しさに震えたという記事を読んで、やっぱり量子コンピュータは理解できないと、あらためて思った。量子コンピュータのプログラミングをしている画面という写真がるが、これがプログラミングの画面とはとても思えない。まあ、もう60歳を過ぎた私に、量子コンピュータのプログラミングが必要なことはないだろうから、知らなくても何の問題もないのだが。でも、コンピュータというから気になる。いっそのこと、コンピュータという名前をやめてくれたら、私とは全く縁のない技術ということで諦めがつくのだが。

Interface1月号の特集は「定番ESP32マイコン技術百科」:本誌お得意の情報満載

 Interface 2020年 01 月号の特集は、「定番ESP32マイコン技術百科」。こんなにいろんなボード、いろんなモジュール、いろんなライブラリー、いろんな開発環境、いろんなOSが対応しているのか、とびっくりする。ESP32マイコンは、格安Wi-Fiモジュールのマイコンとして有名でありながら、マイコンそのものの実力が語られることは少ない。こうした情報に加え、プログラム実行速度やメモリ読み書き速度の記事もあり、ESP32をマイコンとしてつかって見ようという時に参考になる情報が満載である。

部署ごとに数を割り当てた途端ノルマになるのだよ知事さん

 旅客減のソウル便、県が職員利用者を割り当て…韓国旅行を「事実上強制」と批判という記事で、知事の「強制やノルマはなく、人事評価にも影響しない」という発言に嫌気がさした。この言葉が、言い訳にしかすぎないなら、不誠実な知事だ。
 この発言が本気だったら、現場を全く知らない知事だ。職員全員に呼びかけるだけでは、ノルマではない。でも部局ごとに利用人数の目安を示した時点でノルマだ。現場というのはそういうものである。エリート畑を歩いてきた人には、考えも及ばないことかもしれないけど。

安全:工事現場に近づかない

 前回、安全管理のことについて感想を書いた。
 こうした事故に巻き込まれないための1つの考え方として、工事現場には近づかないということがある。危ないからだ。
 大規模な工事だと、現場を柵で囲っていたりする。これを見て、柵の外は安全だと思うかもしれない。大間違いだと私は思う。これを見たら、柵で囲わなければならないほど危険な工事をしているのだ、と思うことが正解だろう。つまり、まず近づかないことである。でも、どうしても、その前の道を通らないといけないことはあるだろう。その場合でも、工事の現場とは逆の側を通行することである。つまり、近づかざるを得なくても、なるべく離れることが重要だと思う。

明らかに安全管理がなっていない:鉄パイプ落下

 12階建てビル最上部から鉄パイプ、直撃した通行人男性が死亡は明らかに安全管理ができていない。少し前にも同じような事故をしていて、この時には、通行人に当たらなかったということで運がよかった。その時点で、きっちりとした安全対策を打つべきであった。作業員に、注意しろというのは、安全対策ではない。たとえば、下の道路を通行止めにするとか、何か方策はあったはずだ。足場解体時に起きた事故のようだが、工事関連の事故で、最も多いのは、足場解体時の事故である。つまり、最も安全管理をしなければいえかないフェーズで、事故を再発させ、再発した事故で、人の命を奪ったということである。

スマート・スピーカーが盗聴装置に

 スマート・スピーカー向け「盗聴」アプリ、審査を通過していたという記事は、まあ、あるだろうなあ、という話題だ。実際に盗聴アプリが見つかったというわけではないが、研究者が作った盗聴アプリを仕込んだアプリを審査にかけてみたら通ってしまった、という話である。
 つまり、審査過程でこうした盗聴機能が見つからない場合が多く、実際に、そうしたアプリが既に存在するかもしれないのだ。
 私は、前から、スマート・スピーカーという名前は、機器の実態を表しておらず、実体は、スマートマイクだ、ということを書いてきた。やはりそうだったのである。
 よほど信頼できるアプリ以外は使ってはいけないことを示している。

サムソンも独自CPUコア開発を中止:さすがに独自コア開発の時代ではないんだろうなあ

 システム半導体世界一目指すサムスンが独自CPUコアを断念した理由という記事を読んで思いだしたのが、ルネサスがArmへ大きく舵を切った件である。
 たぶん、CPUコアだけ考えれば、半導体メーかーであれば、独自で作ることはできるだろう。でも、実際には、ソフトウエアや、今ではAIがらみのツールや、そういった開発環境込みでないと、全く使えない時代である。独自コアのハードウエアは作れても、意味はない。
 私のような組み込み技術者ですら、組み込みマイコンのCPUコアには、業務では、ほとんど興味はない。RISC-Vとか、個人的な技術的興味はある。でも、仕事で組み込みマイコンを選択するときに検討するのは、コスト、ROM/RAMサイズ、SPIなどの周辺回路、開発環境である。なので、今、業務で使っているのは、PICの32ビットマイコンだ。CPUコアはMIPSで、デファクトのARMではない。でも、そんなことは気にしていない。開発はC言語で、コンパイラさえまともなら、それでOKだからだ。そういう意味では、本当に、ソフトウエアの時代になったんだなあ、と実感する。

部署ごとに数を割り当てた途端ノルマになるのだよ知事さん

 旅客減のソウル便、県が職員利用者を割り当て…韓国旅行を「事実上強制」と批判という記事で、知事の「強制やノルマはなく、人事評価にも影響しない」という発言に嫌気がさした。この言葉が、言い訳にしかすぎないなら、不誠実な知事だ。
 この発言が本気だったら、現場を全く知らない知事だ。職員全員に呼びかけるだけでは、ノルマではない。でも部局ごとに利用人数の目安を示した時点でノルマだ。現場というのはそういうものである。エリート畑を歩いてきた人には、考えも及ばないことかもしれないけど。

74シリーズでの設計:ドモルガンの定理とカルノー図法

 前回トランジスタ技術の最新号の感想を書いた。74シリーズということで、思わず、最新号を買ってしまった話である。その昔、デジタル回路を設計すること=74シリーズを使うこと、であった。
 74シリーズには、AND、OR、NOTなどの基本的な論理回路が用意されている。逆に言えば、それしか用意されていない。現実の設計では、複雑な論理式を実装しなければいけないことがある。その時に、74シリーズで提供されている論理だけで実装できるようにするのに活躍したのが、ドモルガンの定理である。
 これを使えば、一応、動くモノは作れる。でも、使うチップの数を減らしたいので、もっと工夫したい。その時に使う手法がカルノー図法である。今さら、こんなものを、設計の現場で使っている技術者はほとんどいないだろうけど。
 これらの論理式を複数用意し、NOTは7404で、NANDは7400で、と実際のチップに割り振る。7404は、1パッケージに6回路、7400は4個入っているので、その数を数える。NOTが7個、NANDが3個必要となると、そのまま対応させると、7404が2個、7400が1個必要だ。だが、NANDは入力をショートさせるとNOTとして使える。そういう工夫をすれば、7404を1個、7400を1個で済ますことができる。
 ハードウエア記述言語を使えば、そのまま論理式を書けることを、人間が頑張ってやった時代があった、という単なる思い出話である。