最低でも20年のサポートが保証されるLinuxカーネル:いろんな用途にLinuxが使えそうだ

 高機能なCPU、大容量のROM、RAMが、組み込みマイコンでも使えるようになってきて、組み込みでもLinuxを、という応用は増えている。現に私も、組み込みLinuxを搭載した製品開発をしたことがある。でも、そんな時に問題になるのは、Linuxのサポート問題である。組み込みでは、製品寿命が10年以上あることが多い。一方で、通常のLinuxのLTS(ロングタームサポート)でも、せいぜい5年程度である。
 製品寿命が長いといっても、その製品を納入してから使われている期間が長いだけで、通常は、その製品の開発チームは、製品発売時点で解散して、あとはサポート人員が残っているだけである。そんな状況で、Linuxのカーネルのバージョンアップという大ごとは実施できない。つまり、Linixのサポートも製品寿命と同じ期間が必要なのである。そして、実際問題として、結局、そうした製品寿命の長い製品にLinuxを使うという選択肢は、なくなる。
 最低でも20年 ―東芝らが取り組む”スーパーロングなカーネルサポート”プロジェクトは、最低でも20年のサポートを目指すということで、こうした状況を打破する素晴らしい取り組みである。ネットワーク機能が必須の時代に、Linuxを使いたいという組み込み機器開発も多いだろう。さすがに、20年もあればOKという製品も多いと思う。この取り組みが、成功することを、心から願っている。

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