USBで240Wの給電:USBは通信も可能な電源規格になってきた

 USBで240Wの給電が可能に、直流電源の標準にさらに近づくによると、USBで、最大240Wまで給電できるようになるらしい。
 USBの最初の頃は、USBメモリーなどを接続する時に、「電源も」供給できれば便利だということで、USBによる給電が始まったのだと思う。でも、今や、通信機能のない給電としてのUSB接続機器は多い。逆に、通信だけで給電のないUSBというのは見たことながない。つまり、今や、USBは給電規格だということだ。必要な時には通信もします、ということになってしまった。

Interface7月号の特集は「IoTプロトタイプ製作入門」:入門というのがピッタリの特集

 Interface 2021年 7 月号の特集は、「IoTプロトタイプ製作入門」。第1部は、「まずはIoT基板を作ろうで、Lチカから始まって、小型液晶ディスプレイ、モータ駆動などを試す。使うマイコン基板がArduinoだったりラズパイだったりで少し統一性がないのが残念。あと、ブレッドボードということで、実体配線図がきれいに作れるFritzingを使っているのが少し疑問。この記事の規模ならいいが、もう少し本格的に、という時には、Fritzingはもの足りないと思う。
 第2部は、基礎知識編。部品やブレッドボードの基礎知識がまとまっているのは、入門としては、非常に参考になると思う。

マスタースレーブという用語がなくなる時代

 「マスター」「スレーブ」は”死語”に 技術による偏見への向き合い方という記事に、「マスター」「スレーブ」が死語になるということが書いてあった。差別用語として、「リーダー」「フォロワー」という用語へ変更するようになってきているらしい。
 英語圏だと、マスタースレーブという言葉が、そのまま奴隷と主人という語感になるのだろう。非英語圏の技術者である私にとっては、マスタースレーブは単なる技術用語である。だから、逆にいえば、「リーダー」「フォロワー」に変えてもらっても、それで通用するならかまわない。でも、切り替えるのは大変だろうなあ。

マイコンの仕様が重要だった時代:少し前は開発環境

 インテル 世界で最も重要な会社の産業史を読んだ。本の感想は、別のブログに書いた。これを読みながら思ったのは、かつては、マイコンの仕様が最も重要「だった」時代があったということである。
 昔は、何かやろうとすると、外部のインターフェース回路を接続しなけらばならなかった。シリアル通信ですら内蔵していなかった。ソフトウエアはアセンブラであった。そんな時に、使いたいチップとのインターフェース回路の設計が簡単で、アセンブラソフトを素直に書けるマイコンを選択したい、というのが開発の要望だった。
 今は・・・。正直言って、マイコンの仕様は、どんな通信インターエースを搭載しているか、ROM・RAMの容量は、という程度である。それさえ満足していれば、後は最も重要なのは開発環境になっている。
 というのは、実は実態と違っていて、開発環境重視は、もう既に終わっている。AI等の最先端なら今でも重要かもしれないが、私がやっているLANとRS485の通信という程度の機器であれば、どんな開発環境でも、立派なライブラリーが無料でついていて、開発環境もJTAGデバッガの治具以外は無料である。
 なので、今では、一度使ったマイコンの環境に不満がなければ、他の開発環境へ移るのがイヤなので、使い続けるという状況である。
 時代は、どんどん変わっている。開発者は、追従しなければならない。

なぞることでUIが変わる:やってみないとわからない知見

 汎用性はキーボード入力に匹敵、なぞって伝える三菱電機の「しゃべり描き」は、実際に作ってみて、使ってみて、その経験から知見を得るということの重要性がよくわかる話である。
 ものは、スマートフォンやタブレット端末の画面を「なぞる」ことで、ユーザーが話した言葉をテキスト化して表示するという技術だ。これが、専門家から「認識精度が高い」「レスポンスが早い」という評価を受けている。でも、使っている音声認識エンジンは、普通のサードパーティー製のエンジンらしい。でも、「認識精度が高い」「レスポンスが早い」というのは、「なぞる」という独特のUI方式にあるらしい。これには、驚いた。やってみないと絶対にわからない知見である。

NECがIEEEマイルストーンのダブル受賞:と言っても、DSP事業は既に残ってないけど

 NECがIEEEマイルストーンのダブル受賞、遺留指紋照合と商用というニュースを見て思ったのが、そういえばNECはDSPを作ってたなあ、ということである。たしかに、μPD7720といえば、私がDSPという用語を始めて知ったデバイスである。マイコンでも、いろいろと独自のものを作っていた。でも、そうした事業は、今ではない。技術というのは、そういうものかもしれないけど。

Interface誌2月号の特集は「作るOS・言語・コンパイラ 低レイヤ入門」:入門と言うには難しい

 Interface 2021年 2 月号の特集は「作るOS・言語・コンパイラ 低レイヤ入門」。イントロダクションのページに1週間マスターとあるが、今回の本誌の内容を1週間でマスターするのは難しいだろう。たとえば、コンパイラの解説でもLR構文解析が紹介されている。本格的といえば、本格的なのだが、入門としては難しすぎるだろう。
 内容としては、本格的である。でも、本書を手にとって、1週間でマスターできなかったからといって、悲観することは全くない。そもそもマスターする必要があるかどうかも難しい。マイコンが動くためには、こうした技術が支えているんだということが垣間見えればそれでいいように思う。

FPGAからASICへの移行をサポート

 IntelがArmコア集積ストラクチャードASIC、FPGAからの移行が容易には、いい取り組みだと思う。製品はASIC化が前提だが、いきなりASICを作るのはリスクが大きすぎるので、一旦FPGAで作って回路検証してからASIC化するというのは、現場ではよくある話である。私も何度か経験している。でも、FPGAで検証しているから、その後のASIC化が簡単かというと、そうはいかない。いろんな違いがあって、結構大変なのである。その苦労が少しでも少なくなるというのは、現場の技術者にとってうれしいことだ。

とうとう802.11ahが国内商用化?:やっぱり802.11というのが有利か

 802.11ahは、802.11といいながらWi-Fiではない。920MHz帯を使ったIoT通信規格である。当然、通信速度も遅い。たぶん、性能も他の920MHz帯と大幅に変わるとは思えない。無線は物理的制約が大きいからだ。
 IoTの可能性を広げる802.11ah、国内商用化に向けた「最後の山場」を迎えるによれば、この規格が使えるようになるまで、もう少しらしい。IoTといっても、センサー応用はまだまだで、デファクトと呼べる方式はない。802.11規格というのは、知名度としては抜群である。後発ではあるが、これが本命なのかもしれない。または、結局、普及しないか・・・

簡単な回路だけどありがちな内容:昔の製品を検討もせずに部品を置き換えた製品

 壊れていない基板の修理は、面白い内容だ。題材の回路は簡単な回路である。フォトカプラの動作さえ把握していれば、すぐにわかるだろう。
 故障だと思ったら、回路設計の不備だったという話である。しかも、著者の推測によれば、TTL回路をそのままCMOSへ置き換えてしまったのだろうという。確かに、入力をオープンにしておくなど、CMOSではあってはならない話だ。でもTTLなら、オープンにした入力はHになる。もちろんノイズには弱いので、プルアップするのが定石だが、CMOSのように、入力をオープンにしたからラッチアップして故障するということはない。著者の推測通りだと思う。
 使っているフォトカプラの仕様もたぶん違っていたのだろう。フォトカプラとして最も重要な仕様であるCTRを満足していない設計などあり得ないからだ。それにしてもCTRが100~600%というのは、バラツキとしてはかなり大きい(50~600%というのもある)。とはいえ、それを考慮できていない設計というのはあり得ない。簡単な回路だからとバカにしてはいけない。