なんとなくオープンイノベーション:大企業にありがち

 「形だけのオープンイノベ」の大企業には近づくべからずは、大企業にいた人間からみると、形だけのオープンイノベの会社がほとんどだよ、と言いたくなる。特に、部署名に「イノベーション」と入っているところは、怪しい。何をコア技術にしてイノベーションを起こすのか、イノベーションを起こしてどんな課題を解決する気なのか、という最も重要な部分なしに、とにかくイノベーションだ、という企業が多いからだ。イノベーションという名前のつく部署にイノベーションなし、と断言してもいいくらいだ。

線路上で水害を防ぐ:こういう柔軟な発想が素晴らしい

 北陸新幹線が水没した。このニュースを見たときに仕方ないよなあ、と思っていた。だが、北陸新幹線水没、もっと難しい在来線はどこに逃げるかという記事を読むと、線路上に並べておくという対策方法があったらしい。現に、昔、実施されたことがあるという。少し引用する。

 1967年7月、大阪府茨木市鳥飼にある東海道新幹線・大阪運転所の横を流れる安威(あい)川が増水し、所内は水につかった3。当時の国鉄は13編成を京都・鳥飼間の上り線に並べた。保線機械など動かせるものはすべて逃がした。新大阪止まりで鳥飼に入庫する予定の5編成は入庫させなかった。車両の被害はなし。ファインプレーである。

 今回の台風では、事前に、運行休止にしていたので、風の影響、水害の影響が最も少ないであろう線路上に車両を置いておくということも可能だったのである。
 車両は車両基地にというのが、常識である。その常識にとらわれていては、問題解決にはならない。
 柔軟な発想こそが重要ということである。

パナソニックの半導体事業の歴史:電機メーカーの半導体部門は社内需要頼りだったのが、・・・

 UniPhier、有機CMOS、ReRAM……売却されたパナソニック半導体のこれまでという記事は、日本の半導体事情が端的にわかる記事だ。
 そもそも、日本には、半導体専業メーカーというのは存在しなかった。ルネサスも、もともとは日立と三菱の半導体事業を、よく言えばスピンオフ、悪く言えば追い出して作った会社だった。
 電機メーカーにとって、自社製品のコア技術が半導体だった時期があったのだ。パナソニックのUniPhierはその象徴で、同社の基幹事業であったTV事業のコア技術として開発された半導体だった。でも、周知の通り、今やパナソニックのTV事業には、昔の輝きはない。こうなると、電機メーカーが半導体部門を抱えておくメリットが全くなくなるのだろう。かなりの会社が、半導体部門を売却した。電機メーカーの事業に貢献できる半導体部門というのは、SONYのカメラ用半導体くらいではないだろうか?そのSONYだって、昔はプレステ用の半導体を内作していたが、今では、他社から購入しているようだし。
 結局、半導体のように、膨大な開発費がかかる技術をかかえこんで、自社の強みにできるだけの事業をやれるメーカーが日本にはなくなってしまった、ということなのだろう。

他者の成功から学ぶ

 ナイキが「Obeya」を使いこなし、日本企業は「大部屋」を知らないを読んで少し反省した。その部分を引用する。

2019年3月期(2018年度)の決算で、トヨタは30兆2256億円の売上高を計上し、2兆4675億円の営業利益をたたき出した。原価改善額も大きな数字だ。これらの数字を見て、日本企業の経営者は「トヨタだからできること」と口をそろえる。これに対し、海外の成長企業の経営者は、「トヨタはどうしてこれほどの好業績を出せるのか」と真剣に研究しているのである。

 なるほどね。どんな記事を読んでも、あれは関係のないことだ、と思えば、関係なくなる。でも、本当に、改革したけけば、そこから学ぼうとしなければならない。そのままマネはできない。「トヨタだから」できることがあるからだ。でも、全てがそうではない。最初から、無理だと思えば、何事もできない。
 これは、会社だけでなく、個人でも言えることだろう。「誰々だから」ということは多い。でも、そうでもないこともあるだろう。特に、個人の行動など、そんなにバリエーションはない。会社の資本金なら、何桁も違うだろうが、人間の才能が何桁も異なることは考えられない。ちょっとした差が、大きな成果の差になる何かがあるのだと思う。

「51万円超」が「高所得者優遇」?「年金財政に悪影響」はその通りだろうけど

 年金減額基準、現状維持へ-働く65歳以上、月収47万円という記事を読んで少し違和感があった。月収47万円の減額基準を月収51万円に改訂するのが高所得者優遇という批判を恐れて、一旦決定した金額を元に戻すというのだ。えッ?月収51万円が高所得者?月収51万円というと年収600万ちょっとである。いくらなんでも、これを高所得者というのは言い過ぎだろう。年収1000万を対象にするから高所得者優遇という批判ならともかく。

ダークウェブ向けのデータセンター:NATOの施設跡にあったとは・・・

 犯罪の巣窟ダークウェブはあの軍事施設の跡地にあった、ドイツ警察が暴いた闇という記事は本当にびっくりである。きっちりと捜査し、逮捕者を出せたという成果といい、その施設がNATOの施設跡だったといい、TVドラマのようだ。事実は小説よりも奇なりというのは、このことだろう。