熱設計は難しい

 今、開発現場で熱による手戻りが頻発している理由を読んで、かつて熱設計で大変だった開発案件を思い出した。
 その昔、LAN関連の部品にはNMOSが多かった。CMOSと比べて、熱対策が重要で、ファンが必須だった。でも、作っていたのはPCではなく、組み込み機器である。組み込み機器で、ファンをつけるというのは、本当に嫌がられる。
 そもそも電子機器で最も故障の確率の高いのは電源である。でも、その電源よりも故障の可能性の高いのはファンである。メーカーによって、ファンをなくすというのは、大きなメリットがあった。
 でも、そのための放熱が難しい。当時も熱に関するシミュレータはあったが、使いこなすことができなかった。結局は、試作しては、評価するというサイクルであった。