パナソニックの半導体事業の歴史:電機メーカーの半導体部門は社内需要頼りだったのが、・・・

 UniPhier、有機CMOS、ReRAM……売却されたパナソニック半導体のこれまでという記事は、日本の半導体事情が端的にわかる記事だ。
 そもそも、日本には、半導体専業メーカーというのは存在しなかった。ルネサスも、もともとは日立と三菱の半導体事業を、よく言えばスピンオフ、悪く言えば追い出して作った会社だった。
 電機メーカーにとって、自社製品のコア技術が半導体だった時期があったのだ。パナソニックのUniPhierはその象徴で、同社の基幹事業であったTV事業のコア技術として開発された半導体だった。でも、周知の通り、今やパナソニックのTV事業には、昔の輝きはない。こうなると、電機メーカーが半導体部門を抱えておくメリットが全くなくなるのだろう。かなりの会社が、半導体部門を売却した。電機メーカーの事業に貢献できる半導体部門というのは、SONYのカメラ用半導体くらいではないだろうか?そのSONYだって、昔はプレステ用の半導体を内作していたが、今では、他社から購入しているようだし。
 結局、半導体のように、膨大な開発費がかかる技術をかかえこんで、自社の強みにできるだけの事業をやれるメーカーが日本にはなくなってしまった、ということなのだろう。