GEの航空機エンジンのモノからサービスへが実はビジネスになってないとは

 IoTの成功例として必ず引用されてきたのが、GEの航空機エンジンの保守ビジネスである。エンジンに積んだセンサーからデータを集めて分析し、継続的にメンテナンス・サービスを提供するということで、IoTによって、モノ売りからサービスへ新しい価値を提供できるということと、データの価値を活用するということで、大きな賞賛をあびてきた。
 ところが、GEも見落としたIoT成功の条件によると、このサービスは、そもそも顧客に求められていなかったのだという。顧客である航空会社は「センサーからのデータを基にしたメンテナンスなら自分たちでやっている。データサイエンティストも社内にいて、データ分析ができる体制が整っていた」のだ。もちろん、こういう会社ばかりではなく、GEのサービスを必要とするような航空会社だってあったはずだ。しかし、人材の豊富な大手なら、データサイエンティストが社内にいたに違いない。なぜなら、もっと収益に直結する顧客予測に基づく航空運賃設定でデータ活用していただろうからだ。
 モノ売りの会社がサービスを提供することの難しさを実感する話である。

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