大企業病:決めないリスク

 大企業病:決めないリスクという記事を読んで、思わずうなずいてしまった。書いてある話は、昔からよくある話で、特に新しいことではない。それよりも、いつまで経っても、この手の話が現役であることに苦笑したのである。
 技術開発のGO/NGの決定の場で、「この新商品は、年間どのくらい売れて利益はどのくらいになるのか?」「売れなかった場合のリスクはどうするのか?」「他社の成功事例はないのか?」という質問が出てくるという経営人のバカさ加減である。どのくらい売れるかわかるような新製品があるわけない。
 前職で大企業の開発部門にいたが、この手のことで潰された技術をいやというほど経験もし、見てもいる。何とか開始しても、バカな経営者に代わった途端、中止になってしまった技術もある。その開発中止から数年たって、いろんな会社がその分野に着目し、再び、その技術開発を開始するといいうニュースを少し前に聞いた。私の知る限り、その時のキーマンは、当時の会社の決定に反抗し、転職して、技術開発を継続している。いくら大企業でも、今さら、という感じである。