製造業なのに「モノからコトヘ」と言い始める企業はこれから危ないという記事には、まったく同感である。理由は、異なるが。
前職は、大手電機メーカーであった。何年も前から「モノからコトヘ」という連中が増えてきていた。その会社は、今でも低成長であり、コト事業なんてできていない。
メーカーは、モノを作るところである。そのモノの価値が、コト中心に変わっただけである。「いつかはクラウン」という時期があった。モノを持つことが幸せだった時代だ。今は、そんなことはない。車で何ができるかが重要である。
コトを考えたモノを作ることこそがメーカーの役割である。コトの提供で儲けようというのは、たぶん無理だ。大手企業のエリート達は、自分の能力を過信し、コト・ビジネスだってできると思っている。大きいな間違いだろう。
実のところ、モノ・ビジネスで儲けてきたのは、エリートではない現場の力だったと思う。コト・ビジネスを支える現場は、今のメーカーにはいない。10年もあれば、現場も育つかもしれない。でも、それまでに経営危機になる可能性が高い。と思う。