ノーベル賞の吉野さん:特許収入で会社を儲けさせていたとは・・・企業での研究者の鏡

 ノーベル賞を受賞した吉野さんは、企業の研究者である。企業出身で大学に移って研究を続けた人は多いが、企業にそのまま留まったのは、田中さんと吉野さんくらいではないだろうか。
 吉野氏らノーベル賞受賞の「リチウムイオン電池」という記事を読んで驚いたのは、基本特許を取得し、そのライセンス収入で自分が所属した企業を儲けさせたということである。企業の研究者の鏡とでもいうべき人だ。でも、企業が儲けた分の中から、どれだけの報奨金をもらえたのだろうか?知財は本来、個人のものだ。職務発明ということで、企業に権利を譲渡するのだが、その知財によって儲けたお金は、個人にも還元されるべきである。
 青色LEDの中村さんも企業を儲けさせたのに、その見返りの少なさに嫌気がさして大学へ移った。技術の優位性は、すぐに失われ、同じようなものをより安い国で作られてしまう。結局、技術を正当に守るためには、知財しかない。