トランジスタ技術8月号の特集は「研究! 1万円級ポケット測定器」:個人で測定器を所有できる時代

 トランジスタ技術8月号の特集は、研究! 1万円級ポケット測定器。組み込みソフトウエアは、評価基板さえ購入すれば、あとは全て無料で開発環境を揃えられるという時代になっている。一方、ハードウエアはそうはいかない。数千円で購入できるのは、テスタぐらいだが、それでは、ハードウエアの開発は難しい。せめてオシロスコープは必須である。そのオシロスコープが、1万円台で購入できる時代がきた。その1万円台の計測器の実力を特集している。オシロスコープが特集の中心ではあるが、スペアナとかネットワークアナライザとか、こんなものまで個人で購入できる時代になったのかと思うとびっくりである。当然、安価なので制約はあるが、その制約を含めて、こう使えるという内容になっている。

トランジスタ技術7月号の特集は「新型Piカメラ3&次世代カメラ研究」:驚きの応用技術

 トランジスタ技術7月号の特集は「新型Piカメラ3&次世代カメラ研究」。手軽に試せるカメラとしてPiカメラは定番である。その定番のカメラを、徹底的に使いこなすと、こんなこともできるという驚きの応用の連続である。高速200 fps撮影なんて、この価格のカメラでできることがびっくりである。カメラモジュールの紹介では、本誌お得意の一覧形式で紹介されている。こんなに種類があるんだ、と、これもびっくりである。
 技術そのものは、第2部のイメージ・センサ回路技術の研究で解説されているので、びっくりの応用と、じっくり基礎も学べる構成である。

マイクロチップ社のPICKIT5

 マイクロチップ社のデバッガの新製品が出た。新たなプログラミングおよび接続機能を備えたインサーキット デバッガ/プログラマMPLAB ICD 5,MPLAB PICkit 5の写真の左側がPICKT5で右側がICD5である。ICD4が丸い形だったが、ICD5は角形に変わった。PICKIT5の方は、PICKIT4とほとんど外見は変わっていないようだ。私自身は、PICKIT3しか持っていない。対象デバイスもPICKIT3で十分なので、新しく買う予定はない。

Interface7月号の特集は「ラズパイPicoで1500行 ゼロから作るOS」:いろんな側面から組み込みOSを勉強できる特集

 Interface7月号の特集は「ラズパイPicoで1500行 ゼロから作るOS」。組み込みOSの仕組みを理解することは、組み込みソフトウエア技術者にとって、最も重要なスキルの1つである。
 今回の特集のポイントは、組み込みOSの標準規格IEEE 2050-2018 を参考にAPI仕様を決めていること、1500行なのでソースコードを読める規模であること、ハードウエアがラズパイPicoであるということである。手軽に購入できるボードの上で動き、読もうと思えば読める規模で、しかも仕様が標準規格準拠なので、勉強しやすく後でも使える。
 かつ、特集記事以外に、「ラズパイPicoで徹底解説!マイコン&CPUメカニズム」ということで、対象ハードウエアに関する記事もある。さらに、ラズパイPicoを使って、ちょっとした回路を追加するときに便利なラズパイPico用拡張基板を入手することもできる。
 いろんな側面から組み込みOSを勉強できる特集になっている。

トランジスタ技術6月号の特集は「作る!わかる!USB Type-C&電源」:組み込みで必要な技術をコンパクトに解説

 トランジスタ技術6月号の特集は、「作る!わかる!USB Type-C&電源」。組み込みでは、通信としてのUSBだけでなく、電源供給源としてのUSB PD技術も重要だ。コネクタの内容も知っておきたい。こうした組み込みでType-Cを使うための技術内容がコンパクトに解説されている。
 特に、第2部の「保存版 USB Type-C&USB PD技術あんちょこ」は重宝するのではないだろうか。

デンソー新社長はソフトウェア出身:メーカーでもソフトウエア重視の時代?

 デンソー新社長はソフトウェア出身、「社内に世界でも負けない財産」というニュースを読んで、車載関連の会社でソフトウエア開発者が社長になる時代なんだなあ、と思った。おそらく組み込みソフトウエアの出身なんだろう。メーカーの社長としては、めずらしいと思う。長年、組み込み関連を担当してきた私などは、これで本当にソフトウエアが重視される時代が来たのかもと思う。製品の付加価値を作るのはソフトウエアだと言われて久しい。でも、よく考えると、付加価値って、何となくオマケのようなニュアンスがある。基本機能を提供するのはハードウエアだ、ということの裏返しの表現のようにも思える。組み込みソフトウエアの価値を評価できる時代がやってきてほしいものだ。

Interface 5月号の特集は「質実剛健 Rust言語 」:組み込み技術者がRust言語に関して最も知りたいことが学べる

 Interface 5月号の特集は「質実剛健 Rust言語 」。Rust言語に興味のある組み込み技術者も多いだろう。だが、Rust言語に関する参考書は少ないし、組み込みに関するものはもっと少ない。本誌の特集は、2部構成になっている。第1特集:C言語と比べて理解する、第2特集:マイコンで動くフル機能Rust。C言語で開発している組み込み技術者から見て、Rust言語に関して最も知りたいことが、この特集で学べるだろう。

Verilog-HDLで28行のマイコン

 HDLソースコードからオリジナルCPU「DL166」の内部動作を理解するという記事に、4ビットマイコンをVerilog-HDLで記述した例が掲載されている。たった28行なのだが、これでマイコンとして動くのである。4ビットマイコンで命令数が少ないことを考えても、簡潔である。この記事にあるように、Verilog-HDLを知らなくても内容は理解できるはずである。興味があれば、是非とも見ることをお勧めする。

トランジスタ4月号の特集は「世界のマイコン探偵団」:世の中にはいろんなマイコンがあるものだ

 トランジスタ技術4月号の特集は「世界のマイコン探偵団」。中華マイコンで入手しやすいものが紹介されている。なつかしのマイコン8051の拡張命令セット版とかの、へ~こんなものが、というマイコン。定番のWi-FiマイコンESP32のいろいろ。日本製としては、SONYのSpresense、ルネサスのラズパイっぽいボードなど。別冊付録は「

新定番PICマイコン PIC16F18857入門」。マイコンずくしである。
 技術がどうのこうの、というよりは、世の中にあるいろんなマイコンのバリエーションを楽しめる人向き。