知財と半導体の抱き合わせは違法:クアルコム

 http://mx4.nikkei.com/?4_–_131488_–_629930_—_9によれば、クアルコムの根幹的ビジネスモデルである知財と半導体の抱き合わせ商法が独禁法違反らしい。知財は、独占使用権なので、これをどう使おうが問題ない。うちの半導体を使わないなら、知財の使用許諾しない、という商売もありだ。 
 でも、これを独占的立場でやると独禁法違反になるらしい。業界でシェアが高い会社は、どんな商売でもしていいというわけではないんだね。

Armまで使えない:ファーウェイもさすがにつらい?

 前回、ファーウェイがandroidを使えない話を書いた。
 http://mx4.nikkei.com/?4_–_131488_–_629930_—_7によれば、Androidだけでなく、Armプロセッサまで使えなくなるらしい。ファーウェイは自社の通信チップを持っているが、CPUコアはたぶんArmだ。これが使えないとなると、チップを再設計しなくてはいけなくなる。さすがに、これに備えて、違うCPUコアも用意していました、とはいかないだろうなあ。

Interface7月号の特集は「カメラで測る 画像センシング」:Piカメラ便利帳が文字通り便利

 Interface 2019年 07 月号の特集は「カメラで測る 画像センシング」。画像処理の基本的な手法とそれを持ちいた応用例の紹介。応用例は、いろんな種類があって面白い。
 ただ、本号のウリは、第2特集的な位置づけのPiカメラ便利帳だろう。ラズパイは、組み込みで、MIPIインターフェースを使って、Piカメラを繋げることができる。高性能なだけに使うのが難しいので、こうした解説は便利だ。

ポスト「京」のプロセッサはArmベース:でもマイクロアーキテクチャは同じ

 ポスト「京」のプロセッサがArmベースになる、ということで、びっくりしていたがhttps://re.itmedia.jp/4qDqsjq09を読んで少し納得した。マイクロアーキテクチャは、前と同じで、命令セットだけArmベースにしたらしい。なるほど。マイクロアーキテクチャの開発は、検証も含めると大変な工数がかかる。でも、マイクロアーキテクチャを変更せずに、命令セットの変更だけで済ませることができれば、工数は大幅に削減可能だ。かつ、Arm向けの豊富なソフトウエア資源を使えるなら、この方法がいいに違いない。

アナログ系も中国メーカーでOKとは

 https://re.itmedia.jp/4qDqslUXGは結構ショックな記事だ。デジタル系のLSIは、すでに中国系メーカーが力をつけてきていて、日本メーカーの存在感は薄い。でも、アナログ系は、そうではない、と思っていた。でも、実際には、アナログ系も含め、日本メーカーは負けつつあるようだ。
 AI技術もいいが、足元の半導体技術がなくて、本当に、日本の産業は成立するのだろうか。

自動車のリコールに制御プログラムの不具合:こんな状況で本当に自動運転やるの?

 https://re.itmedia.jp/4qDqjPNkeは、組み込みソフトをやっている人間には、よくわかることだ。デジタル化することで、いろんなことができるようになる。でも、デジタル化の最大の問題は、全てのケースを洗い出せないと、バグになるということである。実世界での減少を全て分類し、漏れのないように、ソフトウエアに落とし込む。これは難しいに違いない。

 この難しい制御技術の上に、自動運転技術が開発されている。制御技術は、今までの蓄積から、開発手法、設計手法がある世界である。それでも問題が起きる。自動運転は、AIという開発手法、設計手法が未開拓な、いわば実用としては未熟な技術だ。何か起きるかわかったものではない、というのが、組み込み屋の実感だ。

Interface 6月号の特集は「見える空間センシング ARコンピュータの世界」:実際に試すにはヘッドマウントディスプレイがネック

 Interface 2019年 06 月号の特集は「見える空間センシング ARコンピュータの世界」。実際に、組み込みで作ったセンサをPCと連携させてARで表示するという今風の企画だ。ただ、難点は、ヘッドマウントディスプレイが必要なこと。ゲームマニアならともかく、組み込み屋の私には、これにお金をかける余裕はないので、ちょっと試せそうもない。
 一番の目玉は、今までマンガの連載をしていた川流しマシンがとうとう製作記事として登場したことだ。これは、必読だ。

静電容量タッチキーマイコンを用いた「非接触ユーザーインタフェース(UI)ソリューション」:評価ボードが欲しいなあ

 カメラではなく、静電容量タッチキーマイコンを使ってNO WAITで動く、3次元空間で手の動きを検知する「3Dジェスチャーソリューション」と、2次元座標上で手の動きを検知する「2Dジェスチャーソリューション」をルネサスが提供する。
 https://eetimes.jp/ee/articles/1904/08/news027.html#utm_source=ee-elemb&utm_campaign=20190409によれば、ルネサスからは、レファレンスハードウェアを開発するための回路図や基板設計データ、部品表などの他、座標演算ミドルウェア、サンプルプログラム、検出座標をモニターする評価ツールおよび、アプリケーションノートなどが提供されるらしい。エッ?評価ボードはないの?
 レファレンスハードウェアを開発するための回路図や基板設計データ、部品表は提供されるので、評価したければ、ボードを作れということらしい。STマイクロあたりなら、必ず評価ボードも出荷されていただろう。この手の、本当に使い物になるのかどうか疑問の新技術については、メーカーが評価ボードを提供しないと、誰も手を出さない気がする。

赤外線リモコンのライブラリー:学習させなくてもいいのは便利だが・・・

 家電機器リモコンの赤外線データライブラリ提供を開始 家電機器のスマートホーム対応に貢献は、赤外線リモコンのデータをライブラリー化して、同社の製品で、すぐに使えるようにするものらしい。赤外線リモコンの学習型は学習させるのが面倒なので、いい取り組みのように思う。でも、ニュースリリースの中に、「 SMK独自調査を元に最新家電に順次対応」というのが気にかかる、
 ということは、家電メーカーから正式にもらってきたデータではないということなのだろうか?このあたり、権利関係が微妙だろうなあ。学習型は、ユーザーが学習させる。リモコンは、自分が買ってきたものなので、自分の所有物の私的利用という範囲でおさまる。でも、会社が、独自調査結果に基づき、再販するというのは、権利関係からいえばグレーゾーンかもしれない。
 IoTの時代、赤外線リモコンの仕様くらい、各メーカーが自主的に公開すればいいと思うんだけど。

最低でも20年のサポートが保証されるLinuxカーネル:いろんな用途にLinuxが使えそうだ

 高機能なCPU、大容量のROM、RAMが、組み込みマイコンでも使えるようになってきて、組み込みでもLinuxを、という応用は増えている。現に私も、組み込みLinuxを搭載した製品開発をしたことがある。でも、そんな時に問題になるのは、Linuxのサポート問題である。組み込みでは、製品寿命が10年以上あることが多い。一方で、通常のLinuxのLTS(ロングタームサポート)でも、せいぜい5年程度である。
 製品寿命が長いといっても、その製品を納入してから使われている期間が長いだけで、通常は、その製品の開発チームは、製品発売時点で解散して、あとはサポート人員が残っているだけである。そんな状況で、Linuxのカーネルのバージョンアップという大ごとは実施できない。つまり、Linixのサポートも製品寿命と同じ期間が必要なのである。そして、実際問題として、結局、そうした製品寿命の長い製品にLinuxを使うという選択肢は、なくなる。
 最低でも20年 ―東芝らが取り組む”スーパーロングなカーネルサポート”プロジェクトは、最低でも20年のサポートを目指すということで、こうした状況を打破する素晴らしい取り組みである。ネットワーク機能が必須の時代に、Linuxを使いたいという組み込み機器開発も多いだろう。さすがに、20年もあればOKという製品も多いと思う。この取り組みが、成功することを、心から願っている。