今風な「オフィス」のやっかいさ

 ある時ふと、前職での上の方の人たちに、いわゆる意識高い系、リア充自慢系の人がいて、うんざりしていたことを思い出した。自分は、根っからの組み込み技術者なので、ノートPCだけでは、仕事できない。コロナウイルスが流行っていても、たまには、会社に行って、オシロにつながった基板と格闘しないと仕事にならない。そういう意味では、今風な仕事スタイルとは縁遠い仕事である。
 でも、前職では上の方にそんな意識高い系の人たちがいたので、職場を、今風な「オフィス」に改装してしまった。パワポ資料を作ることを技術開発だと思っている意識高い系の技術者達は、そのオフィスに満足し、高い評価をしていた。モノが動いてこその技術という、昔の職人気質の私は、うんざりした。定年になって、前職の会社の再雇用に応募しなかった理由の1つに、そうしたギャップがある。まあ、だから、こんなご時世でも、たまには、出社しないと、どうしようもないのだが。何とか、出社は、週1回以下にしようと頑張っている。

人工呼吸器の設計資料を公開:すごいなあ

 コロナウイルスで重症化した人にとって、命綱が人工呼吸器である。でも、その人工呼吸器不足が言われている。不足するなら作るしかない。そんななか、Medtronic社が人工呼吸器「Medtronic PB560」製造用の全CADファイルおよびPCB回路図を公開というニュースがあった。
 全世界的に見ると、いち早く収束するという可能性は、現時点ではない。人工呼吸器のニーズは当面上昇するに違いない。でも、既存の医療機器メーカーだけでは、すぐに増産できるものでもない。こうした設計情報という企業秘密を公開することで、自社以外でも生産できるように、ということなのだろうが、なかなかできるものではない。
 それに呼応した新型コロナウイルス感染症と闘うため、公開済みオープンソースの設計仕様に基づいた人工呼吸器に向け、リファレンスデザインを作成という動きもある。同社製半導体が多く使われているので、ということらしい。いくら人工呼吸器が増産されても、大した数ではないので、別に売り上げに貢献することもない。なんとか、役に立とうという動きの一環だろう。
 人工呼吸器の異業種タッグが日本でも、書面調査で薬事手続きを数日に短縮によると、行政側でも審査手続きの早期化などを実現するようだ。
 頑張って欲しい。

開発と在宅勤務:両立するところから両立させるしかない

 緊急事態宣言を受けて、私の勤めている中小企業でも在宅勤務が始まった。「開発が止まる」、緊急事態宣言で上がる声 新型コロナが製造業に打撃https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01272/00001/というのは、開発をやっている人間なら、誰しも共感できるだろう。
 私の子供は、化学系の開発で、実験設備がないと仕事できないのに、在宅勤務をやれと言われて、何をするんだと怒っていた。私は、組み込み系で、19インチラックに収まる大きさの基板設計と組み込みソフトウエア実装で、かつ1人でハードウエアもソフトウエアも開発している。こうした事情から、何枚か実装した試作基板の1枚を自宅に持って帰り、在宅勤務をすることにした。まあ、全てが基板で簡潔できるわけでもないので、会社へ行かなくても開発できるわけでもないが、会社に行かなくてもできる仕事もある。
 それぞれの事情の範囲で、在宅勤務と開発とをバランスさせるしかない。

転職してもうすぐ1年:惰性に陥ってきた自分に反省

 大会社を定年退職後、中小企業に転職し、もうすぐ1年になる。当初は、慣れない環境で、いろいろと大変だった。今は、徐々に慣れてきた。一方で、惰性に陥っていた。何となく、今ある仕事をこなしているだけの自分に気づいたのである。
 転職するときは、前職のようなマネージャーではなく、技術者として、開発を担当できる仕事をしたいという目標で就職活動をしていた。望みがかなって、給料は安くても、担当者として仕事ができている。だが、人間とは不思議なもので、せっかく、やりたかった開発の仕事をやっているのに、惰性に陥っているのである。
 全体としてやりたいことは、書き出せていた。でも、自分にとって、最も明確な新製品開発という業務以外は、ブレークダウンできていなかったのである。具体的にブレークダウンできていないものは、単に願望であって、仕事ではない。当たり前である。
 そんな当たり前のことができていなかったため、目の前で明確になっている仕事だけをやって、満足していた。これでは、惰性に陥るはずだ。困ったものである。政府が言っているように、70歳まで働くようになるなら、まだ9年の年月がある。9年は、長い。その間、惰性で仕事をしたくはない。自分の技術者としての成長も含め、仕事を再構築しよう。

本に書いてある通りにデータベースを設計すると実務では動かない:知らなかった

 組み込み技術者だが、一応、データベースは勉強したことがある。データベースを組み込みたかったからだ。
 本に書いてある通りにデータベースを設計すると実務では動きませんという記事を読んで、驚いた。でも、組み込みで使う程度のデータベースと、業務処理で使うデータベースの間に、こんな違いがあるとは知らなかった。組み込みは、基本的には、製品出荷時に仕様を固定するものだ。でも、業務は、動くものである。その動く業務にどう合わせるのかが重要なのだ。そのそもの出発点の違いを実感した。

蟹工船からは勉強では脱出できない

 下請け技術者が乗る「現代の蟹工船」は必ず沈む、辛い仕事を捨てDX人材になれという記事を読んで、違和感を持った。下請けを現代の蟹工船といいながら、そこから脱出するには、勉強だというのだ。でも、勉強では脱出できないだろう。
 実績のある技術者は、転職という脱出方法がある。でも、実績がないと難しい。勉強では、実績はつかない。では、どうすれば、実績を積めるのだろう?下請け企業での実績とは何なんだろう?難しい話である。

大企業がスタートアップとの関係

 大企業とスタートアップの協業、問題は大手の「知財クレクレ病」という記事を読んで、まあ、そんなこともあるだろう、という認識だ。たぶん、新事業をやろうとしている担当者は、スタートアップとの関係をいい関係にしたいと思って仕事をしているだろう。なぜなら、現場での会社関係は、実際には、人間関係だからだ。当然、ビジネスなので、シビアにもなる。でも、だます、ということは思わない。そんなことをしたが最後、担当者としての自分の評判に跳ね返るからだ。会社の決定であっても、現場から見ると、あの人は信用できない、になってしまう。
 大企業の問題は、おそらくは、現場での人と、経営層の金とが乖離していることにあるのだと思う。人の顔を見て仕事していれば、だまそうという発想には絶対にならない。

特許公報の自動分類:使いたいメーカーは多いだろうなあ

 トヨタがAIを活用した特許分類自動化を開始、日立が提供という記事は、使いたい技術者が多いだろうなあ、と思った。メーカーの技術者で、嫌な仕事の1つが、特許調査だろう。自分の開発した技術が、他社の特許を侵害していないかを、商品化前に確認しないといけない。今は、電子化が進んでいるので、かなり楽になった。でも、面倒なことには違いない。これをAIが肩代わりしてくれるなら、使いたい。