ネットワークの定番ライブラリーに深刻な脆弱性、危ない製品の特定が難しいワケによると、TCP/IPスタックKASAGOの脆弱性が発見されたらしい。それもかなり深刻な。
KASAGOは組み込み機器ではポピュラーなスタックで、かなり使っている機器があるはずである。しかも、ネットワーク経由でのアップデートはできないような機器に。こういう話は、本当に大変である。
カテゴリー: 組み込み技術
GPU上のソフトを自動変換できるの?
私は、別にAIには興味ないし、GPUだって開発に使ったことはない。でもFPGAで”GPU級”のAIアクセラレーター実現を目指すという記事には興味がある。記事を読む限りでは、GPUコードを変換し、FPGA上で動作できるようにするソリューションのようだからだ。用途はAIで、推論エンジン「Zebra」というのを使う時に限るようだが、それにしても、そんなことが可能なんて、ちょっとびっくりである。
だいたい、古い技術者は、自動変換という言葉は全く信じていない。実務で使うような複雑なシステムで、自動変換がまともに使えたためしがないからだ。今回のソリューションは、どうなんだろう?まあ、私自身が使うことはないけど。
ザイリンクス社が機器を発売:かなり違う商売だとは思うが・・・
動画配信需要捉えて新事業領域へ、米ザイリンクスがFPGAベースのビデオトランスコーダー発売によると、ザイリンクス社が機器販売に乗り出すらしい。ザイリンクスと言えば、FPGAメーカーの老舗だ。私も、かなり初期の頃からのユーザーである。FPGAは、ハードウエアの性能と同じくらい開発ツールのできが重要な領域で、たぶん、社内の技術者もソフトウエア技術者が増えてくるとか、技術サポート部隊の充実とかあったのだろう。とはいえ、利益の根幹は、チップの売り上げだったはずだ。
ところが、機器商売は、チップ商売とはかなり異なる。どういう展開になるのか興味がある。日本の会社なら失敗する確率の方が高いだろう。社内の文化と異なる商売は大抵の場合、失敗するからだ。でも、米国なら成功するかもしれない。機器商売の文化を知っているトップを引っ張ってきてビジネスができるからだ。
5nmプロセスの組み込みマイコン:さすがに車載は最先端だなあ
NXPの次世代車載プロセッサ、TSMCの5nmプロセスで製造し21年にサンプル出荷は驚いた。PC用のプロセッサのような最先端のプロセスだ。ふつうの組み込みマイコンでは、こんなプロセスは使えない。どう考えてもペイしないからだ。たぶん、スマホ向けと車載くらいだろう。
ルネサスがまた事業撤退:でもデジタルだけで勝ち残れるのだろうか?
ルネサス、LD/PD事業から撤退らしい。まあ、ルネサスが事業撤退するというニュースは慣れっこになっているが。でも、まるまる1つ工場を閉鎖し、いったい何で生きていくつもりなんだろうか?車載が強いといっても、デジタルだけでは、生き残れないと思うのだが。
今風な「オフィス」のやっかいさ
ある時ふと、前職での上の方の人たちに、いわゆる意識高い系、リア充自慢系の人がいて、うんざりしていたことを思い出した。自分は、根っからの組み込み技術者なので、ノートPCだけでは、仕事できない。コロナウイルスが流行っていても、たまには、会社に行って、オシロにつながった基板と格闘しないと仕事にならない。そういう意味では、今風な仕事スタイルとは縁遠い仕事である。
でも、前職では上の方にそんな意識高い系の人たちがいたので、職場を、今風な「オフィス」に改装してしまった。パワポ資料を作ることを技術開発だと思っている意識高い系の技術者達は、そのオフィスに満足し、高い評価をしていた。モノが動いてこその技術という、昔の職人気質の私は、うんざりした。定年になって、前職の会社の再雇用に応募しなかった理由の1つに、そうしたギャップがある。まあ、だから、こんなご時世でも、たまには、出社しないと、どうしようもないのだが。何とか、出社は、週1回以下にしようと頑張っている。
NB-IOT方式のサービスが中止:IoTビジネスは難しい
NTTドコモがLPWA「NB-IoT」方式の提供を終了、「Cat.1」と「LTE-M」は提供継続で、IoTビジネスの難しさを感じた。
NB-IoTは、キャリアが提供する通信サービスの中でも、低速だが利用料金が安いということで、注目されていたサービスだった。でも、こんなにあっさり中止になるとは。いくら安いといっても、使う側から見ると高かったのだろう。
通信料金を払ってまで成立するIoTとういうのは、実際には、ほとんどない。限りなく0に近い値段でないと無理なんだろうなあ。
人工呼吸器の設計資料を公開:すごいなあ
コロナウイルスで重症化した人にとって、命綱が人工呼吸器である。でも、その人工呼吸器不足が言われている。不足するなら作るしかない。そんななか、Medtronic社が人工呼吸器「Medtronic PB560」製造用の全CADファイルおよびPCB回路図を公開というニュースがあった。
全世界的に見ると、いち早く収束するという可能性は、現時点ではない。人工呼吸器のニーズは当面上昇するに違いない。でも、既存の医療機器メーカーだけでは、すぐに増産できるものでもない。こうした設計情報という企業秘密を公開することで、自社以外でも生産できるように、ということなのだろうが、なかなかできるものではない。
それに呼応した新型コロナウイルス感染症と闘うため、公開済みオープンソースの設計仕様に基づいた人工呼吸器に向け、リファレンスデザインを作成という動きもある。同社製半導体が多く使われているので、ということらしい。いくら人工呼吸器が増産されても、大した数ではないので、別に売り上げに貢献することもない。なんとか、役に立とうという動きの一環だろう。
人工呼吸器の異業種タッグが日本でも、書面調査で薬事手続きを数日に短縮によると、行政側でも審査手続きの早期化などを実現するようだ。
頑張って欲しい。
実験に便利なSTM32CubeMonitor
STマイクロエレクトロニクスが、STM-STUDIO-STM32の後継となるSTM32CubeMonitor発表した。STM-STUDIO-STM32が持っている変数のリアルタイム表示機能のUIに、Node-REDを使ったのだ。
STマイクロエレクトロニクス、 動作時の変数をモニタ / 視覚化するマルチOS対応ツール STM32CubeMonitorを発表というニュースリリースが出ているのだが、このリリースの内容だけでは、このツールの便利さがわかりにくい。
単なる表示だけだと、便利なデバッガでしかない。ところが、この変数出力をNode-REDとリンクできるようにするだけで、かなりいろんなことができるようになる。
たとえば、あるセンサの値をモニタしたい時、従来なら値出力用にUARTを用意し、UART用のソフトウエアを書き、PC側でその値を受け取りHDDへ格納するとか、本来やりたいこと以外のソフトをたくさん書く必要があった。ところが、このツールを使えば、ひたすらセンサの値を取り込む機器ソストを作るだけでよくなる。センサの値を取り込んでいる変数をこのツールでリアルタイムモニタし、Node-REDの機能でPCへ書き込めばいいからだ。いろんなソフトを作らなくて済む。もちろん、基板には、JTAGデバッガを接続しておく必要があるので、製品に使えないが、ちょっとした実験なら十分使えそうだ。
Interface5月号の特集は「C/C++後継モダン言語の研究」:数少ないRust言語の組み込み応用がわかる
Interface 2020年 05 月号の特集は「C/C++後継モダン言語の研究」である。主役はRustだ。
組み込みの世界では、C/C++が現役である。というか、今でもC言語が主流である。さすがに言語仕様が古く、新しい言語を、と思っても、世の中で出てくる新言語はWeb系やAI系たおいう状況が続いている。そんな中、OSも記述できる言語として登場したのがRustだ。でも、新しい言語への期待はあっても、日本語で読める技術書があまりない。
そんな中、実際にSTマイコンでの実装も含めた特集記事は、組み込み技術者が勉強するのに格好の参考書である。まあ、実務で使えるようになるには、まだ時間がかかるんだろうけど、C言語での開発に不満がある組み込み技術者は、是非とも手にとって欲しいと思う。