トランジスタ4月号の特集は「世界のマイコン探偵団」:世の中にはいろんなマイコンがあるものだ

 トランジスタ技術4月号の特集は「世界のマイコン探偵団」。中華マイコンで入手しやすいものが紹介されている。なつかしのマイコン8051の拡張命令セット版とかの、へ~こんなものが、というマイコン。定番のWi-FiマイコンESP32のいろいろ。日本製としては、SONYのSpresense、ルネサスのラズパイっぽいボードなど。別冊付録は「

新定番PICマイコン PIC16F18857入門」。マイコンずくしである。
 技術がどうのこうの、というよりは、世の中にあるいろんなマイコンのバリエーションを楽しめる人向き。

トランジスタ技術3月号の特集は「そろそろやるか! ラズパイガチ製作」:SF小説が付録に!

 トランジスタ技術3月号の特集は、「そろそろやるか! ラズパイガチ製作」。ありきたりな製作記事ではなく、ICの故障・真贋チェッカや2D磁気ビュー・カメラなど、何だ?と思わせるような製作記事が、さすがに本誌である。
 付録は、何とSF小説。「トランジスタ技術の圧縮」と、その続編「続 トランジスタ技術の圧縮―新たなる旅立ち」。後者は、この付録が初出である。かつて、広告で分厚かったトランジスタ技術を本棚に収納するのに、広告を切り取って収納していた。その頃の話を題材にしたSFである。かつての私も、やっていた。今では、広告も少なくなり、そのまま本棚に入れているが・・・。

Interface 3月号の特集は「マイコン試作&学習 MicroPython教科書」:その通りの特集記事

 Interface 3月号の特集は、マイコン試作&学習 MicroPython教科書。MicroPythonは組み込み向けに作られたPythonのサブセットである。サブセットといいながら、組み込みで使うには十分な仕様である。
 製品開発には、組み込みでは、今でもC言語が主流だろう。でも、ちょっとした実験とかで、C言語で書いて、デバッガでデバッグして、というのは、面倒だ。そんな時は、インタプリタであるPythonでちょっと動かしたいというのは、よくあることだ。
 そんな時には、本特集が役に立つだろう。

トランジスタ技術2月号の特集は700号記念第2弾】世界が広がる!プリント基板作りのススメ」:現役技術者にも役に立つであろう技術記事と、昔からの愛読者が思い出に浸れる広告プレイバック記事

 トランジスタ技術2月号の特集は、「【700号記念第2弾】世界が広がる!プリント基板作りのススメ」。プリント基板特集では、CADやガーバーなどの、ツール寄りの話になりがちであるが、今回の特集は、実際の配線テクニックが解説されているので、プロの技術者にも参考になる。
 別冊付録1の保存版 オシロとプローブ 正しい波形の測り方は、オシロスコープの使い方を簡潔に学べる。この手のことは、意外にOJTでしか学べないので、間違った使い方をしている技術者も多い。
 昔からの愛読者にとって、最も興味深かったのは、トランジスタ技術 広告プレイバックだ。トランジスタ技術といえば、豊富な広告である。広告も1つの情報入手手段だった。なつかしい広告が再掲されていて、面白い。そういえば、こんな会社があったなあ、という思い出に浸ってしまった。

Interface 2月号の特集は「Linux開発&デバッグ術50:デバッグにフォーカスしているところが本誌らしい

 Interface 2月号の特集は「Linux開発&デバッグ術50」。デバッグ術にフォーカスしているところが、本誌らしい。組み込みでは、デバッグ術が重要だからだ。組み込みLinuxの経験者は、それほど多くないので、こうした経験者の手法を勉強できるのは有益だろう。
 2月号定番の別冊付録のInterfaceコンピュータ手帳も便利だ。

トランジスタ技術1月号の特集は「、「【700号記念特別号】バイポーラ/MOS/SiC/GaNトランジスタ回路」:700号記念の付録、企画記事がすごい

 トランジスタ技術1月号の特集は、「【700号記念特別号】バイポーラ/MOS/SiC/GaNトランジスタ回路」。
 古くからの本誌の愛読者にとっては、技術解説よりも700号記念の特集記事の方が興味をひいてしまう。
 別冊付録2は、何と創刊号の復刻版。広告も復刻されいて、創刊号の1964年というのは、こういう時代だったのか(私は、子供だったので、この時期のことは何も知らないが)とか、興味深い。
 別冊付録1は、国民的トランジスタ2SC1815とは。少し前の電子技術者なら誰もが使っていたトランジスタである。これが、なぜ、こんなに愛用されてきたかが解説されている。これが生産中止になると知った時は、代わりに何を使えばいいのだろうかと途方にくれたのを覚えている。
 企画記事では、名作プレイバックとして、あの定本シリーズの著者である岡村 廸夫氏が本誌で連載した記事が掲載されている。今でも学ぶところは多いはずだ。

トランジスタ技術11月号の特集は「超音波×エレキの世界」:超音波のいろいろな応用

 トランジスタ技術11月号の特集は「超音波×エレキの世界」。超音波というのは、何となく理解しているが、組み込みの現場で使うことはあまりない、あったとしても、障害物センサーとしての応用くらいだ、と漠然と思っていた。
 実際には、いろんな使い方があるらしい。物体を空中に浮かせたりもできるらしい。こうした超音波の様々な応用とその実験例が紹介されている。超音波になじみのない技術者には、びっくりであろう。

Interface11月号の特集はネットワーク・プログラミング:別冊のMQTTの解説がわかりやすい

 Interface11月号の特集は、「ネットワーク・プログラミング」 。ラズパイでルータを作ることでネットワークプログラミングの基礎を学ぶという内容である。一通りの内容が網羅されている。
 本号は別冊が2冊あり、IoTの新定番プロトコル MQTTリファレンス・ブックという別冊ではMQTTの内容が簡潔にまとめられている。
 ネットワーク技術そのものを勉強するには本誌を、実際にIoTで応用するには今やIoTのデファクトになっているMQTTを別冊で勉強できるという構成になっている。

Interface 9月号の特集は「MATLAB実機開発」:実際に試せる

 Interface 9月号の特集は「6カ月ライセンスで制御/画像/AI MATLAB実機開発」。マイコンの開発ツールは、どんどん無料化して、簡単に試せる時代になってきている。だが、MATLABのようなツールは、まだまだ高価で、個人で簡単に試せるというわけにはいかない。
 モデルベース開発などは、組み込み技術者にも興味がある技術だが、本を読んだだけでは、よくわからない。やはり実際に試せないと難しい。その点、本誌にはMATLABの6ヶ月ライセンスがついていて、来年の1月25日まで無料で試せる。通常の無料評価版は1ヶ月で、これでは、仕事で真剣に評価する以外に試すのは難しかったが、6ヶ月あれば、興味のある機能は試せるだろう。
 特集以外の連載記事も、Yocto Projectではじめる組み込みLinux開発入門とか、RISC-VonFPGA実装計画とか、組み込み技術者の興味のある連載もあって参考になる。

良いコードを書く技術:初級者には参考になるのでは

 良いコードを書く技術という本を読んだ。この手の本は、難しい。まともに取り組むと、CODE COMPLETEのような大作になる。これを初級者が読むのはちょっとつらい。
 そういう意味では、本書のように、項目だけはきっちりと整理されている本は役に立つと思う。ただ、この本は、あくまで導入でしかなく、実際にその項目をどう実践するのかというと、結局は定評のある大作で勉強するしかなくなる。
 でも、その大作を勉強するにあたって、こういう本が全体像を示してくれるのはありがたい。そういう意味で良書だと思う。