トラ技8月号の特集は「プリント基板名人のテクニックDVD&攻略本」:また基板の特集-基板設計は奥が深い

 トランジスタ技術 2019年 08 月号の特集は、「プリント基板名人のテクニックDVD&攻略本」。また基板の特集か、と思った。最近のトラ技は基板の特集が多い。KiCADというフリーでありながら本格的なCADと、安く基板を作ってくれるところが出てきて、気軽に基板を作れるようになってきた。でも、実際には、基板設計は奥が深い。しかも、体系的ではない。この特集名にあるように、なんとなく名人芸の世界的な部分がある。だから、著者によって、強調点が違っていたり視点が違っていたりして、またか、と思いながら、つい買ってしまうのだ。
 特に、第3章のアナログ・センスで基板を描く ①グラウンド配線の設計は、基板設計者必読と言ってよい内容になっている。グラウンドは、本当に奥が深い。

Interface8月号の特集は「AIモダン計測制御の研究[エッジGPU Jetson]」:ロボット・アームをAIで制御

 Interface 2019年 08 月号の特集は、「AIモダン計測制御の研究[エッジGPU Jetson]」。この特集名だけでは、記事の面白さが伝わりきれない。ロボット・アームをカメラで撮影して、ロボット・アームの姿勢をエッジGPUで姿勢推定し、それを基に、姿勢制御して、ロボット・アームにモノを掴ませるところまでを実現する。まあ、計測制御には違いなのだが・・・。
 AIというと組み込み技術者には縁遠いもののように思うが、実際には、こういう応用もある。しかも、ロボット・アームの制御がクラウドでできるはずもなく、エッジでしか実現できず、組み込み技術の重要な技術の1つになるという説得力もある。
 特別企画の「地図&GPS実験室」では、準天頂衛星システム「みちびき」対応のGPSモジュールの実力を実測している。秋月電子で3000円弱で買えるらしい。なかなか興味深い結果であった。
 新連載で「動かしながら始める量子コンピュータ」が始まった。量子コンピュータの解説記事を何度読んでも理解できなかったのだが、この連載を読むと理解できるようになるのだろうか?少し期待している。

Interface7月号の特集は「カメラで測る 画像センシング」:Piカメラ便利帳が文字通り便利

 Interface 2019年 07 月号の特集は「カメラで測る 画像センシング」。画像処理の基本的な手法とそれを持ちいた応用例の紹介。応用例は、いろんな種類があって面白い。
 ただ、本号のウリは、第2特集的な位置づけのPiカメラ便利帳だろう。ラズパイは、組み込みで、MIPIインターフェースを使って、Piカメラを繋げることができる。高性能なだけに使うのが難しいので、こうした解説は便利だ。

Interface 6月号の特集は「見える空間センシング ARコンピュータの世界」:実際に試すにはヘッドマウントディスプレイがネック

 Interface 2019年 06 月号の特集は「見える空間センシング ARコンピュータの世界」。実際に、組み込みで作ったセンサをPCと連携させてARで表示するという今風の企画だ。ただ、難点は、ヘッドマウントディスプレイが必要なこと。ゲームマニアならともかく、組み込み屋の私には、これにお金をかける余裕はないので、ちょっと試せそうもない。
 一番の目玉は、今までマンガの連載をしていた川流しマシンがとうとう製作記事として登場したことだ。これは、必読だ。

トランジスタ技術5月号の特集は「PSoC基板で回路遊び」:久しぶりのPSoC特集

 トランジスタ技術 2019年 05 月号の特集は「PSoC基板で回路遊び」。本誌で久しぶりのPSoC特集である。PSoCは、非常にユニークなチップで、チップ内に回路コンポーネントが入っていて、それをコンフィグできる。デジタル回路ならFPGAが大規模にこれを実現しているが、PSoCは、そのコンポーネントにアナログ回路が入っているのがユニークなのである。
 ユニークなのだが、実際に、どこまで使いこなせるかといいうと難しい。特に、製品で使うには、あまりにもユニークすぎる。でも、いろんな回路を勉強するには、ぴったりである。入っているコンポーネントは、汎用的なので、なるほど、こう使うのか、ということが学べるからだ。
 久しぶりのPSoC特集であるとともに、久しぶりの付属基板付きでもある。