KDDIの通信障害:ミスをなくすことの難しさ

 KDDIの通信障害の件は、いろいろと報道されている。KDDIの通信障害の全容が判明、大規模化・長期化を招いた本当の理由で、なぜ長引いたのかという理由が解説されていた。
 これを読んだ技術者は、全員、自分もやるかも、という内容だろう。ケアレスミスとか思い込みとかに違いないが、やってしまいそうな話ばかりだ。逆に言えば、携帯電話網というインフラでさえ、何かあった時には、これだけのミスが入り込む可能性があるということだ。

技適未取得機器を用いた実験等の特例制度

 FCCやCEなどの海外の電波関連規格は取得しているのに、日本の技適を取得していないという機器は、結構ある。その場合、通常なら日本で電波を出すと違反になるのだが、技適未取得機器を用いた実験等の特例制度というのがあって、180日以内の短期間の実験・試験・調査が可能になる。
 この手続きの実例が、1万円台スマホ分解始動、まずは「技適なし」問題と格闘の記事で紹介されていた。お役所仕事なので、大変だろうと想像していたのだが、意外にあっさりと許可されるらしい。評価ボードなどでも、FCCはOKだが技適は未取得というものは多い。そんな場合にも、評価に使えるかもしれない。

 GoogleやOracle、英クラウドに障害 熱波が落とし穴には、驚きである。データセンターのエアコンが、あまりの暑さで故障し、データセンターがダウンしたのだという。冷却は、データセンターのコア機能だ。ある程度、余裕をみた設計になっていたはずだが、さすがに観測史上初の高温には対応できなかったということなのだろう。インフラ設備は、100年に1回とかのオーダーではなく、1000年に1回のオーダーの自然条件に耐えられる設計にしなければならないのだろうなあ。

暗号化方式の新規格:どんな実装になるんだろう?

 量子時代のネット暗号にIBMの技術というニュースは、一読しただけではどんな影響があるのかわからない。方式そのものは、量子コンピューターでも解読が難しい、ということで、量子コンピューターによって、ネットワークインフラが大打撃を受けるのでは、という危険性が回避できるようだ。とはいえ、どんな実装になるんだろう?

ネットワークの難しさ

 実験室環境では動くが、実環境では動かないというのは、よくある話である。その1つに、ネットワークを使った機器がある。実験室では、全く問題なく動いている。現場へ持っていっても順調に動いている。でも後者は、順調なように見えるだけで、1週間とか連続で動かすと、なぜかおかしな動作をする。しかも再現性がない。この原因を切り分けるのは、本当に大変だ。

今さらクラウドで追いつくことは無理だろうなあ

 「今さら国産クラウドの育成」、自民党と経産省は何を考えているのかは、本当にその通りだ。今さら国産のクラウドが追いつくわけはない。技術で一発逆転があったり、ビジネス戦略で逆転できたりする話ではないからだ。もちろん、大切なデータを、海外の会社に預けるということが、不安なのはわかる。でも、何をしても、今の段階では、税金の無駄使いに終わるように思う。

映像が送れるLPWA

 Wi-Fi HaLowはLPWA通信である。Wi-Fi HaLow準拠の無線LANモジュール、映像を途切れず送信という記事によれば、そのLPWA通信で映像が送れるという。高解像の映像は無理だが、LPWA通信が想定している設備監視などの用途では使えるらしい。
 今さら新しいLPWAを、と思っていたのだが、意外に使えるのかもしれない。

昔からあるバグは、やっぱり今でもある

 変なブログの表題だが、Firefoxのハングアップ障害、悪いのはグーグル?それとも「例の問題」かという記事を読んだ時の素直な感応だ。
 Firefoxがハングアップした原因が、ヘッダーをContent-Lengthという文字列でのみ判定し、実際の通信でcontent-lengthというヘッダがっきた時に正しく判定できなかったことにある、という。大文字、小文字の問題とか、デリミタがスペースだったりタブだったりする問題とか、文字列がらみのバグの典型のようなバグである。
 こんな昔からあるバグをFirefoxほどのソフトウエアが見逃していたというのは、少しびっくりである。いくら言語や開発環境が進歩しても、本質的にバグになりやすい部分は変わらないのだろうなあ、と思った。

約4億5000万回ものサイバー攻撃:すごい話だ

 「東京五輪で4.5億回のサイバー攻撃」NTTらが語る大会運営の裏側は、すごい話だ。東京五輪が始まる前は、確かにサイバー攻撃に耐えられるのかという話があった。それが、コロナの影響で、そんな話が大きな話題になることもなく終わってしまった。でも、実際には、卑劣な連中の攻撃が中止になるわけもなく、こんなにとんでもない攻撃を受けて、それに対応できたというのは、技術と運用の両面の成果なのだろう。