Wi-Fi6:無線LANの半2重-衝突の可能性が高い無線LAN

 Wi-Fi 6」への期待に疑義 無線LANが抜け出せない「半二重」問題とはを読んで、無線LANに対する誤解がかなりあることを感じた。有線なら、ケーブルごとに通信を分離できる。性能のいいスイッチを使えば、高速に通信できる。でも、無線は空間で通信する。だから、多くの端末があれば、衝突が起きる。これは常識と思っていたが、よく考えると技術者でない人には常識ではない。
 イーサーネットの基本は、昔は、CSMA/CDという衝突検知技術であった。初期のイーサーは、1本の同軸ケーブルで複数の端末を接続していたので、通信が衝突するのは当たり前であった。でも、スイッチという機器が登場し、ブロードキャスト以外には、あまり衝突しないようになった。
 だが、無線LANは、空間を通る。いくら、プロトコルで頑張っても、有線LANに比べると衝突の可能性は高い。しかも、衝突を避けるためには、帯域を分け合うことが重要である。これが半2重だ。確かに宣伝文句では、その違いがわかりにくい。今や、有線LANは不要で、無線LANさえあればOKというようにも見えるが、決してそうではない。