海外にサーバがあるだけでは特許侵害を回避できない

 ドワンゴがFC2に最高裁で勝訴 海外サーバーで特許侵害は、特許を出すのが仕事の1つであった技術者から見ると、いい判決だなあ、と思う。サーバが海外にあるか、国内にあるかで、特許権が及ぶか及ばないか決まるなんていうことがあっていいとは思わない。
 ただ、特許を出してきた一技術者からみて、ドワンゴのコメント機能が特許になるなんて、特許も変わったなあ、という感想である。発明と言うのは「自然法則を利用した技術的思想の創作」だというのは、メーカーの技術者として、新人研修で習い、しみついている。その目から見て、これが特許になるなんて、というのが、正直な感想だ。

新規事業に関するJTC病

「JTC」の新規事業、遅々として進まないワケを共感を持って読んだ。前職は、大企業の研究開発部門にいた。そのミッションの1つは、新規事業につながる技術開発だった。この記事で書かれていた通り、ステージゲートがあった。ここで指摘されることは決まっていて、いくら儲かるんだ、事業として小さいのではないか、とかだ。いくら儲かるんだー真意事業でそんなことわかるわけない。事業として小さいー最初から大きな事業になるはずがない。本当にやってられなかった。

無線LANで新たに発見された脆弱性:やっぱりセキュリティは難しい

無線LANに新たな脆弱性、通信速度が65%低下するも現時点で対策なしという記事を読むと、セキュリティというのは本当に難しい分野であることを実感する。無線LANの規格制定にあたっては、当然、セキュリティの専門家がきっちりと規格をチェックしているはずである。なのに、やっぱり脆弱性が発見される。本当に難しい。

ソフトウエア工場という夢

 ソフトウエアは今でも職人技が残っている世界である。ソフトウエア工場という概念は昔からある。でも、達成はされていない。
 たとえば、過去には、仕様を記述し、ソフトウエアを自動生成するという試みがあった。今でも研究は続けられているが、仕様を記述するということそのものが、難しい。仕様記述言語といいうのもあるが、これを理解し、仕様を記述できる技術者がどの程度いるのだろうか?
 ソフト開発を職人技にしない、「エンジニアリング」と「工場」にするという記事の題名を見たときに、また、現実離れした話を、と思った。ただ、この記事を読んでみると、今までの試みも包括し、ソフトウエアの強みと弱みも分析した記事であった。でも、やっぱり、工場にはできないだろう。

SBOM:いよいよ使う?

 爆発的に増加するデータ量に対応、「スケーラブルRDB」に注目集まるという記事の中で、SBOMが紹介されていた。SBOMの考え方は昔から提案されているが、実際には、きっちりとやっているところは、ほとんどないと思う。でも、そろそろ、本格的に必要な時代がやってきたのだろう。組み込みでも、使うことになるのかなあ?

IoT家電:シャープ大丈夫?

 業績不振のシャープ、スマートホーム本格参入 IoT家電普及率の壁という記事を読んで、この記事の結びにあるのと同じ感想を持った。引用する。「IoT家電の普及率が低い中で、スマートハウスのブランド力にも疑問が残る。」
 スマートハウスというのは、現時点では、もうかる事業ではない。付加価値がほとんどないからだ。たぶん、IoT機能で家電を選ぶ人はいない。家のエアコンは、スマホをリモコンがわりにしているが、そんな機能は買ってから知った。冷房・暖房機能、電気代、お掃除機能、サイズ、納期で決めた。

想像力の限界が品質の限界:結局は設計者

 組み込みソフトウエアは異常系との闘いである。もちろん、システム系のソフトウエアでも異常系処理は重要な課題である。だが、組み込み系の貧弱なマイコンと、コストギリギリで設計されているセンサ、アクチュエータ類の中で、異常系をどう処理するかは、組み込み系ならではの部分がある。
 山浦恒央の“くみこみ”な話という記事の中に、いい言葉があった。「想像力の限界が品質の限界」。確かに、こんな異常が起きるのではという異常の想定は、設計者の想像力にかかっているところがある。もちろん、それだけではない。それぞれの開発プロジェクトで蓄積されてきたノウハウがあり、かなりの部分は、そうした知見を再利用できる。でも機器特有の問題は、やはり設計者の想像力にかかっていることは間違いないだろ。

開発と設計

 なぜプログラミングを「開発」と呼ぶのか、他業界が感じるITプロジェクトの違和感は、考えたこともなかった。私は、組み込み技術者なので、ハードウエアもソフトウエアも担当する。ハードウエアの場合、確かに開発があって、設計である。ところが、ソフトウエアの場合は、設計があって、開発である。逆なのである。そして、一般的には、開発のあとが設計である。
 しかし、開発という言葉がない場合もある。私は技術士の資格も持っているのだが、技術士とは「科学技術の高度な専門応用能力を必要とする事項について,計画・研究・設計・分析・試験・評価,またはこれらに関する指導業務を行う者」とあり、開発が入っていない。
 開発という言葉は、分野によって、意味が異なるのかもしれない。

インテルのCPUのクラッシュ問題

 Intelに追い打ちをかける「Raptor Lake」クラッシュ問題 根本原因はいまだ不明という記事にはびっくりした。IntelのCPUが、本当にクラッシュするらしい。電源を再起動しても復旧しないということは、どこかハードウエア的に故障してしまうということだろう。たぶん、熱で起きる劣化問題なのだろうけど、かなり深刻な話である。