ソフトウェア技術者のためのバグ百科事典(15)最大の試練、仕様変更で起きるバグで、仕様変更が開発者にとって最大の試練というのは、その通りと思う。
ただ、何か試練か、ということが、少し意見が異なる。私の経験では、仕様変更があっても、納期はそのまま、である。仕様変更したのだから納期はかかります、という正論が通ったことは「1回もない」。これは事実だ。1回もない。結果的に納期が延びてしまったことは、何度もあるが。
開発者は真面目なので、仕様変更はするけど、納期はそのまま、に対応するために、自分の時間を全てプロジェクトに注ぎ込む。その結果が、デスマーチである。
カテゴリー: 開発業務
簡単な回路だけどありがちな内容:昔の製品を検討もせずに部品を置き換えた製品
壊れていない基板の修理は、面白い内容だ。題材の回路は簡単な回路である。フォトカプラの動作さえ把握していれば、すぐにわかるだろう。
故障だと思ったら、回路設計の不備だったという話である。しかも、著者の推測によれば、TTL回路をそのままCMOSへ置き換えてしまったのだろうという。確かに、入力をオープンにしておくなど、CMOSではあってはならない話だ。でもTTLなら、オープンにした入力はHになる。もちろんノイズには弱いので、プルアップするのが定石だが、CMOSのように、入力をオープンにしたからラッチアップして故障するということはない。著者の推測通りだと思う。
使っているフォトカプラの仕様もたぶん違っていたのだろう。フォトカプラとして最も重要な仕様であるCTRを満足していない設計などあり得ないからだ。それにしてもCTRが100~600%というのは、バラツキとしてはかなり大きい(50~600%というのもある)。とはいえ、それを考慮できていない設計というのはあり得ない。簡単な回路だからとバカにしてはいけない。
中国もオープンソース活用
オープンソースに本腰入れる中国 政府系シンクタンクが白書を発行は、ちょっとした驚きだ。とうとう、中国もオープンソース活用なのか、ということである。そもそも、私のように古い技術者は、中国といえばライセンス無視の国だった。でも、そこから脱却しようというのだろう。その時に、ちょうどオープンソースがあった、ということに違いない。
いいものなら、あっという間に利用するだろう。日本なんかよりも・・・。
製造業なのに「モノからコトヘ」と言い始める企業はこれから危ない:全く同感
製造業なのに「モノからコトヘ」と言い始める企業はこれから危ないという記事には、まったく同感である。理由は、異なるが。
前職は、大手電機メーカーであった。何年も前から「モノからコトヘ」という連中が増えてきていた。その会社は、今でも低成長であり、コト事業なんてできていない。
メーカーは、モノを作るところである。そのモノの価値が、コト中心に変わっただけである。「いつかはクラウン」という時期があった。モノを持つことが幸せだった時代だ。今は、そんなことはない。車で何ができるかが重要である。
コトを考えたモノを作ることこそがメーカーの役割である。コトの提供で儲けようというのは、たぶん無理だ。大手企業のエリート達は、自分の能力を過信し、コト・ビジネスだってできると思っている。大きいな間違いだろう。
実のところ、モノ・ビジネスで儲けてきたのは、エリートではない現場の力だったと思う。コト・ビジネスを支える現場は、今のメーカーにはいない。10年もあれば、現場も育つかもしれない。でも、それまでに経営危機になる可能性が高い。と思う。
品質不具合の再発防止:これが難しい
品質不具合の再発防止、技術と管理の教訓を共に残すべしは、本当にその通りだと思う。この著者の記事は、共感するものが多いのだが、これもそうだ。
多くの企業が過去に生じた品質不具合を再発させているのである、全くその通りである。何故何度も繰り返すのか?この記事のいうとおりだ。教訓を残すだけで、うまくいくかというと難しいと思う。結局は、設計者依存の部分があるからだ。
教訓を残すのが無駄だと言っているのではない。品質重視の技術者にとって、この教訓は、非常に重要な情報である。同じ品質不具合は起こさないだろう。だから意味がある。
でも、そんな技術者は、多くはない。品質意識が低い技術者集団にとっては、こうした教訓は豚に真珠である。だから、何をしても、品質不具合は再発する。その再発の度合いをいかに減らすことができるかが、組織の力なのだと思う。
いざという時のソフトウエア仕様は単純な方がいいなあ:高機能化するとバグがある
備えのつもりが裏目に、フェイルオーバーの高機能化が被害を広げるを読んで思ったのは、よくあるパターンだなあ、ということである。フェイルオーバーというのは、いざという時の備えである。これは、本当は極力単純にして、必ず動作するようにしないといけない。しかし、運用とか考えると、どうしても、いろいろと機能を追加したくなる。そして、一見素晴らしい高機能なフェイルオーバーができあがる。しかし、いざ、本当に動いてもらわないと行けないときに、動いてくれない。そうなってしまう。
私は組み込み屋だから、フェイルオーバーについてはよくわからない。でも、通信の異常処理では、いろんな経験がある。異常処理で復旧してもらわないといけない場合に限って、異常処理がハングアップするのである。
異常処理は、実際にはなかなかテストできない。だから、実際のところ、リセットかけにいくくらいの単純な処理にしておかないと、かえって大惨事になりかねない。
プロダクトデザインでどこまで冒険するか
Zoomはセキュリティーを犠牲に勝ったのか、プロダクトデザインの理想と現実は、面白い指摘である。セキュリティーをあまりに気にするあまり何もできないプロダクトを作っても売れない。実際に、市場に出して、問題がある部分を大急ぎで対処すればいい、という指摘である。
私も基本的には賛成だ。基本的には、というのは、人命に関わる場合は別だし、ソフトをアップデートできないような組み込み機器では、どうしても安全よりにせざるを得ないと思うからだ。直接、お金に関わる部分も、かなり慎重にすべきだろう。
結局、全てに正しいものというのは存在しない。トレードオフの取り方を含めて、市場が判断するということだろう。
東証の不具合:すぐに開発者は大変だろうなあ、と思ってしまう
東証売買停止、バックアップに不備 メモリー故障が発端という記事を見ると、すぐに開発側の人間になってしまう。
たぶん、メーカーが悪ものにされるのだろうけど、バックアップへの切り替って難しいんだよなあ。原因究明と言われても、すぐに原因が分かるようなことなら切り替えに失敗するはずがない。
かわいそうに、徹夜の日々が続くんだろうなあ・・・
自動車からハッキング:いろんな手口があるんだなあ
自動車”が”脆弱性を突く? あっと驚く攻撃手法から学べることは、題名の通り、あっと驚く攻撃手法だ。自動車側のコンピューター側に不正な細工を行い、自動車に専用のインタフェースでアクセスする自動車ディーラーのPCへマルウエアを送り込むというのだ。つまり、侵入の手口がインターネットではなく、自動車というわけである。
情報セキュリティは、攻撃側が圧倒的有利である。いろんな所から侵入できるからだ。その侵入経路は、それこそ、いろいろあると思わなければならない。マイコンと通信I/Fが入っている機器は、全て侵入経路の可能性があるということである。大半の電子機器はあてはまる。
ちょっとした工夫で使いやすくなる:ユニバーサル基板
ユニバーサル基板も工夫次第で使いやすくなるという例が、小型ユニバーサル基板 ICB-M93Sだ。
部品穴をナンバリングする、ランドの形を変える、それだけのことだ。でも、表面から部品を挿入し、裏面で配線する場合、こうした目印がある方がわかりやすい。