ルネサス社のデジタルプラットフォーム戦略:今一つピンとこない

 ルネサスのアルティウム買収が真価を発揮するのは2030年?という記事は、なかなか興味深かった。ルネサス エレクトロニクス社のオンライン会見に関する記事だ。本来なら、事業セグメントとか、新製品のラインアップとかが主体になるはずなのだが、アルティウム社買収のシナジー効果に関する記事が半分以上を占めていたからである。
 組み込み業界でもソフトウエアが重要になっているとはいえ、アルティウム社は電子CAD主体のメーカーである。どうも電子CADと開発ツールを整理してデジタルプラットフォームを一つにまとめるという戦略らしい。わかったような、わからないような話だ。ソフトウエア開発ツールと電子CADとが1つのプラットフォームになるという姿が今一つピンとこない。

Raspberry Pi社が上場

 Raspberry Piが英国で上場へ、IPO検討を正式発表によると、Raspberry Pi社が英国ロンドン証券取引所での新規株式公開(IPO)を検討しているらしい。Raspberry Piといえば、もともとは、PCを購入できない子供や学生に、安価なPC環境を提供するという非営利事業で始まった。ところが、その安価さから、産業用でさかんに使われることになり、とうとう上場まですることになったらしい。
 学生用という観点では、Raspberry Pi専用のMathematicaが用意されていたり、で面白い展開だと思っていたのだが。
 PCやスマホが購入でいない層にとっては、経済格差が教育格差につながりやすい。それを解消する1つの手段としてのRaspberry Piの役割は、上場後も継続してほしい。

Z80がとうとう製造中止になる

 さよなら、8ビットCPU「Z80」によれば、マイコンのZ80がとうとう製造中止になるという。まあ、組み込み技術者でも、Z80を使ったことがある技術者は少ないだろう。インテルの8080というマイコンを改良して使いやすくしたZ80は、本当にいいマイコンであった。なくなる前に、どこかで買おうかな(使い道ないけど)。

MRAMがマイコンに搭載される

 MRAM自体はかなり昔からあるメモリー技術だ。フラッシュROMとかのように、書き込み・消去に時間がかかることなくRAMのように使えるが、不揮発メモリーであるというすぐれものである。ただ、組み込みの世界では。メモリーはマイコン内に搭載するというのが当たり前になっているが、MRAMを搭載されることはなかった。
 ルネサスがマイコン混載MRAMで200MHz超の高速読み出し、今後は製品開発へ移行によれば、とうとうマイコンに搭載されるらしい。設定値などで、不揮発が必要なことはよくある。小容量でいいから安く入手できるようになれば、使われる気がする。

東芝がロームに助けてもらう?

 ロームが資本提携も視野に東芝の半導体事業との協業へ、売上高合計は1兆円規模というニュースはなかなか衝撃である。東芝は、トランジスタ時代から大手の半導体メーカーだった。私は、マイコンは、もっぱら日立を使っていたが、トランジスタとかダイオードなどは、東芝を使っていた。今でも、ロジックICを提供している数少ないメーカーである。その東芝が、ロームからの資本提携を受けなければないないかもしれないというのは、どうしたものだろう。東芝の半導体は、今でも独自の地位を占めている。フォトカプラなどは、東芝以外を使ったことはない。経営者の罪は重いというしかない。

Interface5月号の特集は「ラズベリー・パイ5 大研究」:組み込み技術からみたラズパイ5

 Interface 5月号の特集は、「ラズベリー・パイ5 大研究」。題名の通り、最近発売になったラズパイ5の特集である。さすがにInterface誌らしく、技術面、応用面での内容が満載である。だいたい、ラズパイの記事といえば、Linuxのインストールなどの利用面が多い。本誌では、メインCPUであるSoCとは別に設けられたI/Oコントローラ「RP1」に関する記事があったりと、組み込み技術者が知りたい内容になっている。

小規模FPGAの実態

 私のような組み込み技術者が使うFPGAというのは、グルーロジックを小規模FPGAで実装するというものが多い。昔は、グルーロジック用のデバイスがたくさんあったが、今ではバスドライバなど一部のデバイスしかなくなってきているからだ。FPGAメーカーから見たら、たぶん、小規模FPGAは儲からない領域なのだろう。新製品といえば、高速大規模のFPGAが多い。
 とはいえ、一部のメーカーは、小規模FPGAを製品化している。そんな小規模FPGAのメーカーによる考え方の違いがよくわかるのが組み込みの「一番根っこ」を狙うか否か 戦略が別れる小規模FPGAの現状だ。そもそも小規模FPGA自体があまり記事にはならないので、この記事は貴重である。

アルテラ社がインテル社から独立

 新生アルテラが再誕、インテルからの独立で「FPGAだけに専念できる」によると、インテル社に買収されたアルテラ社が、再びインテル社を離れて、アルテラ社として独立するという。最初、アルテラ社がインテル社に買収されたときは、いい関係だと思った。1つは、インテルの製造技術を使って、高集積のFPGAを開発できるのではないか、ということ、さらに、インテル社の持つ、高速インターフェース技術も応用できそうだということ。さらには、インテル社の有するソフトウエア人材をうまく活用できるのではないか、ということである。
 技術面から考えると、プラス面が多そうに見えるが、マーケット的には、難しかったようだ。インテル社傘下では、ハイエンド製品に注力する必要があり、ローエンドの市場への新製品が出せないというデメリットがあるらしい。なかなか難しいものだ。

えっ、Psocでいつの間にインフィニオン社の製品になったの・・・

 インフィニオンが非車載マイコンをPSoCブランドに統合、エッジAIにも対応らしい。私のように古い組み込み技術者にとっては、PSocというのは、サイプレス社の、アナログモジュールを搭載した、他のマイコンとは一風異なったマイコンであった。でも、知らないうちに、インフィニオン者になり、かつ、一般向けのマイコンブランドになるのだという。半導体業界は、動きが激しい。