STマイクロのマイコンがシェア2位に

 シェア2位に躍り出たSTの汎用マイコン事業戦略は、まあ、順当な話か、という印象だ。古くから組み込みに関わっている私でも、STマイクロを知ったのは遅かった。最初に、ある部署でSTマイクロのマイコンを使うことに決めたと聞いた時は、信じられなかった。それほど、日本では存在感のないメーカーだった。それが、あっという間にメジャーなメーカーになってしまった。
 怒濤のようなSTM32の多品種展開と、開発環境の整備が、うまく噛み合ったのだろう。ただ、モノとしての展開はいいのだが、技術文書などのドキュメント面は、かなり弱いという印象がある。企業としても、そうしたドキュメントへ費用をかけるというのは難しいとは思う。でも、提供されるドキュメントのメインが、ソースコードからDoxygenで生成した文書をPDF化したもの、というのは、少し手を抜きすぎだと思う。もう少し頑張ってほしい。

マイクロソフト社がAndroidスマホとは:さすがにAppleとは組めないだろうからねえ

 Microsoft、スマホ再び 2画面折り畳み・Android採用は、びっくりしたが現実的な選択かもしれない。WindowsはPCの世界だけで、という戦略の方が、開発パワーも発散しないし。Surfaceも意外に人気あるようだし。
 ブラウザも独自エンジンをやめたし、こういう柔軟性こそがマイクロソフトの持ち味なのかもしれない。

Phone11でUWB技術:すごいなあ

 Phone11が発表され、あまり進歩がないという評判だった。でも新iPhoneは苦戦か、分解スペシャリストは4点に注目という記事を読むと、そうでもないと感じた。何とUWB技術が搭載されているのである。UWBは、ミリ波を使った屋内の測距技術だ。ミリ波チップは高価かので、コンシューマー用途で使われた例はあまりないのではないだろうか?何に使うかは、未定のようだが、性能さえ出ればいろんなことに使えるはずである。

防水D-Dubコネクター:いろんなコネクターがあるものだなあ

 IP67準拠の防水保護性能を持つコネクターという記事を読んで、世の中にはいろんなコネクターがあるものだと感心した。通信システムの中で一番弱いのは、ケーブルである。特に、コネクターの部分だ。現場でトラブルが、という話があって、駆けつけると、コネクターの抜き差しをやれば解決するということがよくある。
 DSUBは、そんなコネクターの中でも、ネジ止めできるので信頼性が高い方だが、さすがに防水はされていない。こういう仕様のコネクターが必要なところもあるんだなあ。
 私の経験では、最もやっかいなのは、LANケーブルである。あのRJ45は、本当に弱い。M12コネクターというのがあってイーサーネットのコネクターもある。これくらい丈夫でないと困るようなあ、実際。

マグネティック基板ホルダー:便利そうだが・・・

電子工作に便利なマグネティック基板ホルダー、上海問屋よりって便利そうだ。普通、基板は、スペーサーを使って、作業机の上に置いてデバッグする。問題は、それに接続される線である。電源ケーブル、デバッガ接続ケーブル、通信用ケーブルなどがつながる。これを、固定してくれるのは、便利だと思う。

休日の勉強

 今さらだが、少しアナログ技術を再勉強しようかと思っている。大企業の技術開発担当だったとき、基本的には、デジタル回路と組み込み周りの開発を担当していた。若い頃は、まだ、組み込み技術者が少なく、周囲はアナログ屋の方が多かったので、それなりに重宝された。そのまま、管理職になり、アナログ系は、体系的に勉強しないままになっていた。
 転職して現場復帰すると、時代は変わり、アナログ屋など絶滅危惧種になっていた。アナログ回路を必要とするような仕事もほぼないので、当たり前である。でも、アナログ的なセンスは必要だ。デジタルといったって、アナログを離散化して使っているだけだからだ。純粋なデジタルなど組み込みでは存在しない。
 いまさらアナログばりばりになろうとは思わないし、今からでは無理だろう。でも、さび付いた知識を再勉強するのは、それなりに意味がありそうだ。現役でいたければ、勉強するしかない。

キーボード並みの巨大チップ:米国人はスケールがでかい

 米スタートアップ企業、キーボード並みの巨大チップを発表の写真を見ただけで、ギョッとするだろう。この大きな銅板のようなものは、トランジスタ数が1兆2000億のチップだという。すごいなあ。実用で使うには、あらゆる困難があるので、試作にしかすぎないような気もするが、本当にすごい。米国の底力を感じる。

高機能なFPGAボードはFPA単体で買うよりも安い

 幅広い用途に対応したFPGAボード「Ultra96-V2」の真価に迫る! という記事を読んで、このボードに搭載されているFPGAの仕様のすごさとボードの小ささに感心した。これだけ高機能なFPAになると、AIとか画像処理とかの用途でないと使いこなせないだろう。私のように、Verilogでソースを書いて、というような程度では、全くおよびでない感じである。
 これだけ高性能なFPGAって、いったい、いくらするんだろうという下世話な興味で、Digiを調べてみたら、何と4万円以上。ボードの価格が29800円だから、単体でFPGAを買うとボードより高い。
 まあ、これだけ高機能なFPGAを1個だけ買うというようなケースはたぶんないだろうなあ。ちょっと買って、基板を作って、ちょっと試すというような気安く使えるようなデバイスではないし。

低温で動作しなかった試作品の思い出

 前回、-40℃で動くってすごい、という話を書いた。それには理由があって、若い頃、-15℃で動作させることができなかった経験があるのだ。
 PCなどでは、CPUを冷却することが重要なので、高温側のことを気にすることが多い。でも、低温側も、実は難しい。かつて勤務していた会社では、動作保証範囲に対し、15℃のマージンを要求していた。0~40℃という製品だったので、-15℃で動作させる必要がある。でも、これが動かないのだ。原因は、電源に入れた電解コンデンサの液が凍結して、インピーダンスが高くなり、電源が安定しなかったのである。使っていた電解コンデンサよりも、動作保証範囲が広くESRが小さいものを選び、再度試験をしたら、大丈夫だった。
 すぐにこのことがわかったのかというと、そんなことはない。技術者としてひよっこだった私は、どうすればいいのか、さっぱりわからなかったのである。先輩技術者に相談したところ、基板を一目見て、この電解コンデンサに冷却スプレイをかけてみろ、と言われた、常温で動作していた基板が、解コンデンサに冷却スプレイをかけるだけで、動作しなくなったのである。その時に、電解コンデンサの液が凍るという話を聞いたのだ。経験の差というのは大きい。
 この時、回路技術だけではモノ作りはできず、部品の特性をよく知ることが重要だということを知った。前に書いた部品知識の重要さにもつながる話だ。