工場を襲うサイバー攻撃の大半は”流れ弾”、トレンドマイクロが”おとり”調査は、興味深い内容だ。工場セキュリティの実験として、実際に、架空の工場を「まじめ」に作って、どんな攻撃を受けるかをやってみた内容の報告である。
メーカーにとっては、興味深い内容だ。現に、製造現場が攻撃を受けて製造ラインがストップするという事故が起きている。参考になる点もあるのではないだろうか?
カテゴリー: 組み込み技術
ファーウエイの独自プラットフォーム:侮れないと思う
米国の制裁の影響で、中国企業であるファーウェイはGoogle Mobile Servicesを使えない。Android OSそのものは、オープンソースなので利用可である。
でも、スマホに必要なのは、アプリをめぐるエコシステムである。OSはそのための必要条件でしかない。
独自プラットフォームにかじ切ったファーウェイ、中国以外で勝算はあるのかによれば、ファーウエイは、Google Mobile Servicesにあたる同社独自のプラットフォームを構築しているという。しかもアプリ開発者に対して10億米ドルの資金を提供する「シャイニングスタープログラム」を展開しているというからすごい。
以前に少し書いたことがあるが、米国の制裁は、結果的に、ファーウェイがハードウエアだけでなく、プラットフォーム企業に脱皮させるトリガになるだけ、という展開も十分にあり得る。
トランジスタ技術4月号の特集は「世界トップ企業の 電子回路基本セミナDVD」:DVDよりも記事の方が本格的
トランジスタ技術 2020年 4月号の特集は、「世界トップ企業の電子回路基本セミナDVD」。といっても、DVDと記事が全て連動しているわけではない。記事だけの内容もあるし、DVDだけの内容もある。DVDの内容を期待しすぎると、正直なところ、少しがっかりするような内容も多い。記事の方が内容は濃い。記事のないDVDだけの講義も内容が濃かったりする。
内容が多岐に渡るので、ちょっとまとまりがないが、面白い企画ではある。
配線にトランジスタを使わないFPGA
FPGAにブレークスルーか、ビア・スイッチで論理回路面積を1/10未満には、実現すれば、確かにブレークスルーである。
従来のFPGAは、配線にトランジスタを使ってきた。論理回路にもトランジスタを使っているので、要は、配線にも論理回路にもトランジスタを使ってきたわけだ。この配線にトランジスタを用いずに、不揮発性のビアを使うことで、大幅に面積を小さくできるらしい。
FPGAで配線が占める領域は、意外に大きい。昔、ザイリンクスのFPGAで、設計した回路が配線できずに困ったことがある。FPGAが登場したばかりのころは、論理回路と配線領域の関係を適切に設計できていなかったのである。FPGAのメ0-カーにすれば、カタログスペックは論理回路数である。限られたトランジスタを、配線領域ではなく、論理回路に振り分けたいと思うのも当然のことだ。でも、配線領域をケチると、結局は使いものにならない。次のバージョンでは、配線領域を増やしました、という宣伝をしていた。まあ、20年以上前の話だ。
ホワイトボックススイッチとネットワークOS:PCのようになるのかなあ?
“無印”ネットワークスイッチ流行の兆し?は、技術動向として面白い。ネットワーク機器は、従来から、機器メーカーからハードウエアとして販売されてきた。ところが、ホワイトボックススイッチというのがあって、ネットワークOSをインストールしない状態で、ハードウエアだけ作るメーカーがあり、その上にネットワークOSをインストールして出荷するということが徐々に広がっているようだ。しかも、ここにも、Linuxが進出している。
2層のスイシングHUBであれば、その処理は単純で、基本的にはハードウエア主体の機器である。ところが、3層以上になると、とたんにソフトウエア主体になってしまう。
さらに、SDNのような技術が、ネットワーク機器をソフトウエア寄りにしてしまう。
PCも、初期の頃は、ハードウエアメーカーが独自にOSも作り、製品化していた。それが、マイクロソフトの登場によって、ハードウエアとソフトウエアの開発が分離された。PCは、それが良い方向になって、技術開発が加速した。
ネットワークは、どうなるんだろう。ハードウエアとソフトウエアの開発が分離によって、技術開発が加速するのかどうかがポイントなんだろう。
音を聞いての設備異常監視:究極の非接触監視
マイクを使って非接触の設備異常監視を実現、”音のプロ集団”が提案は、面白い技術だ。設備へのIoTの活用といっても、実際には、どんなセンサーをつけるのか、とか、そもそも計測できないぞ、とか、実用化には、いろんな障害がある。
そんな中で、音で判断というのは、非接触で、かつ、現状の設備に手を入れる必要がないので、使えればうれしい現場も多いだろう。
DRAMはやはり半導体の米だ:IT企業のDRAM需要
先端DRAMがボトルネックになる時代という指摘にはびっくりだ。Googleは、自社のサーバーで使うDRAMを確保するため、Samsungと特別に契約し、SamsungのDRAM工場のうち、月産2万枚分はGoogle専用ラインにしているという。それほど、DRAMが重要なのだろう。
日本はDRAMを手放してしまった。でも、今でもDRAMは、半導体の米であることを、この記事は教えてくれる。これが、中国に移ってしまった時が、半導体の主役交代が韓国から中国へ交代したということなのだろうなあ。
アセンブラの重要性:まあ古い技術者の戯言かもしれないが
汎用機で育った技術者はオープンで活躍できるが逆はないのはなぜかという記事は、相変わらずの谷島節だ。でも、今でも新人教育でアセンブラをやっている企業があるのには驚いた。
私は、組み込み屋なので、一般的なIT技術者よりも、アセンブラを使う機会は多かった。多かったというのは、現時点では、アセンブラを使ったことがないからだ。今、仕事で使っているPIC32は、MIPSコアだが、どんな命令体系なのかも知らない。armは、ディジタル回路設計とコンピュータアーキテクチャ[ARM版]で、命令体系は知っていて、この本で出てくる程度のプログラムは書けるが、それだけである。
昔は、少なくとも、スタートアップルーチンは、アセンブラで書く必要があった。今では、開発ツールが自動生成してくれる。必要ないスキルは勉強する必要はない。
でも、である。アセンブラは、CPUを理解する役に立つことは確かだ。
トランジスタ技術3月号の特集は「STM32Fマイコン教科書」:ビーム・フォーミング実験が使いこなしの参考になる
トランジスタ技術 2020年 3月号の特集は「世界スタンダード!STM32Fマイコン教科書」。組み込みMCUのコアのデファクトはArmである。そして、そのArmコアのMCUの中で、個人で最も使いやすいモノの1つがSTM32Fである。開発環境が無償だし、何せボードが安い。
今回の特集は、そのSTM32Fの特集である。STM32Fだけでなく、STM32シリーズの特徴を簡単に紹介している記事が、意外に参考になる。あとは、例によって、開発環境、Arduino/MicroPython/mbedという定番の記事。
最後の信号処理編は、ビーム・フォーミング実験。MEMSマイクの信号をI2SでDMA転送し、内臓のDSPで信号処理し、USBオーディオやD/Aへ出力する。最近の開発環境がいくら優秀でも、こうした構成の設定と信号処理ソフトウエアの使いこなしは難しい。それを実例で見ることができる。本例と同じ使い方でなくても、DMAを使いたいとかの例として参考になると思う。
QRコード式対応の改札:ゆくゆくは磁気乗車券を廃止-なるほどなあ
JR東日本が新宿駅に新型改札機、QRコード読み取りは普及するかで、とうとう改札にも、と思った。そもそも非接触ICカードが普及した主役の1つがSUICAであったことは間違いない。今度はQR対応だ。まあ、これがQR決済を爆発的に普及させることになるとは思えないが、面白い対応だ。これで磁気乗車券を廃止できるらしい。確かに、切符だってQRコードを印刷すればよいわけだ。磁気乗車券よりもはるかに安価だろう。