品質不正問題が体質になる原因

 前回、品質不正問題がなぜか体質になってしまう、という話を書いた。
 なぜ、体質になってしまうのだろう?
 三菱などの大企業は、新卒一括採用である。たぶん、今でも、社員の大半は新卒採用だろう。そうなると、そもそも、新卒採用の社員が品質不正問題に気づくかという疑問がある。何も知らずに入った部署でやっていることに疑問を持たないというのはよくある。
 さらに、部署を異動することでキャリアを積むエリート組以外は、同じ部署で何年も変わらないという固定的な人事も問題なのだろう。銀行などでは、不正防止のため、一般社員でも定期的に異動させる、という話があるが、メーカーではそうはいかない。
 この環境の中では、一度できた前例はそのまま踏襲することが正しいということになり、それが体質になっていくのではないだろうか?

不正は繰り返される:なぜか体質になってしまう

 三菱電機の「骨太の方針」に暗雲、変圧器でも品質不正が判明し全社調査も延長を読むと、本当に会社における不正の問題はやっかいだと感じる。特に品質不正問題は根が深い。なぜか、会社の体質になっていることが多いからだ。
 ある製品での品質不正問題が発覚する。そうすると大抵の場合、他の製品でも品質不正を続けている場合が多い。たぶん、長年、続けている間に、その会社では、その仕事のやり方が、会社の標準になってしまっているのだろう。

設計業務は準備が重要

 設計の心 準備万全、原理・原則に則して愚直に進めるに設計業務における準備の重要性が書かれていた。この例のような経験は、誰しもやったことがあるにちがいない。
 準備をするには、事前検討が必要になる。そして、その事前検討は頭の中でやってはいけない。必ず、何日か前に書き出しておく。そして翌日に見直しをする。本当は、少なくとも1週間前には事前検討をやるべきである。何か不足することがあっても、1週間あればなんとかなるからだ。