AI登場で「失われた60年」もあリ得るぞ 出遅れ続ける日本と言う記事は、AIのことを書いているように見えて、実は、ITに関する日本の対応を振り返り、AIについても同じ轍をふむんじゃないか、という内容だ。
その中で、インターネットについて、当時の企業の経営層は何もわかっていなかった、という話が書かれている。私は経営層ではなかったが、やはりインターネットの威力を全くわかっていなかった。動画なんかにインターネットを使ったら、その帯域を通すための設備負担が多すぎるので、そんなのが普及するわけがないと思っていた。
ところが、実際には、需要があるところには技術革新がある。光ファイバーの容量が増え、頑張って海底ケーブルを引き続ければ、ワールドワイドで動画を通せるだけのインターネットができる。当時の不明を恥じるばかりである。
組み込み機器特有の供給問題
組み込み機器の使用期間は長いものが多い。かつ、故障しても修理して使うような機器もある。そうなると、組み込み機器に使われているデバイスの供給期間が問題になる。STマイクロエレクトロニクス、車載用マイコンSPC58ファミリの長期製品供給保証を20年間に延長は、そんな要望に対応するということだ。まあ、車載用だからこそできることなのかもしれないが、そうではない一般のマイコンでも20年とはいわないが、15年程度の供給保証はしてほしい。
静かな昇進
社員のやりがい搾取する「静かな昇進」という記事で、静かな昇進という言葉があることを初めて知った。私の若い時代は、大卒であれば、かなりの割合で課長職にはなれるという時代だった。それが、バブルのころに、大企業が、調子に乗って大量の新卒採用をしたことによって、年齢構成が崩れてしまった。うちの会社がこんなに人を雇って大丈夫なの?と思ったものだが、経営層よりも現場の感覚の方が正しかった。
その後は、ポスト不足時代がずっと続いている、という感覚である。
調子に乗って採用しておきながら、業績が悪くなったからといって早期退職に追い込み、そのつけを若い世代に静かな昇進という形で押し付ける。これがいい形とは到底思えない。
アスクルのシステム障害
アスクルがシステム障害で受注・出荷停止、ランサムウエア感染で他社にも影響は、セキュリティの重要性を再認識させられる。アスクルは、たぶん、ネットワーク関連にかなりの予算をかけているはずである。自社のビジネスの根幹なので、経営層もセキュリティに経営資源を割くことは、他の企業よりもやっていたに違いない。
それでも、こんなことが起きる。
IntelとNVIDIAの協業
米国政府から支援されたりで、Intel社はそんなに苦境なのか?と思っていた。Intel「迷走の構図」 NVIDIAとの協業にも浮かぶ疑問符は、その打開策として経営陣が打ち出したNVIDIAと協業という案は、実際にはうまくいかないよ、という技術面からの解説である。
何となく、CPUのIntelとグラフィックのNVIDIAが協業すれば、素晴らしいチップができる気がする。でも実際には、それぞれのコアを統合するためのバスのアーキテクチャが違いすぎて、簡単ではないという指摘だ。
バス周りの技術は、地味に見えて、実はトータルの性能および信頼性を実現するための最重要技術だったりする。技術はお金だけでは解決できない。
長時間労働に対する価値観
高市氏「ワークライフバランスを捨てる」 睡眠不足大国、20兆円の経済損失もの記事は全く同感である。ワークライフバランスを捨てるという発言をする人が首相候補だと思うと、今の日本の、長時間労働に対する価値観が変わってないんだなあ、と実感する。
QualcommがArduino買収?
QualcommがArduino買収でエッジAI強化へという記事を読んで驚いた。どちらかというと高性能なデバイスを作ってきたQualcommと、どちらかというと低価格なマイコンを対象としてきたArduinoが結びつかなかったからである。本当にうまくいくのかなあ?
日本はいつまで組み込み技術者を養成できるのか?
20年でCPUコアの巨人にのし上がった「Cortex-M」という記事は、前の方は確かにCortex-Mの歴史が振り返られていて、おもしろいのだが、後ろの方で、違う話も含まれている。
今の組み込みは、昔に比べて、必要とされている知識が増えているという筆者の感想である。確かに、私の時代は、組み込みをやる以上、アセンブラを使えることは必須であった。開発がC言語になっても、C言語のソースコードでブレイクできず、コンパイル結果を見ながら、アセンブラレベルでブレークをかけたりという時代もあった。
一貫して、マイコンを使いこなすという技術が求められていた。でも、今では、クラウドであったり、AIであったり、マイコンだけではない知識も必要となっている。筆者と同じように「いつまで日本の企業はこうしたエンジニアを擁して組み込みシステムの開発を続けられるのだろう?」という疑問がある。
原爆ドームへ行ったらインバンドの人ばかりでびっくり
先日、旅行で広島へ行った。仕事とか用事で行ったことはあるのだが、旅行では初めてである。メインは宮島へ行くことなのだが、せっかく広島へ行くのだから原爆ドームへ行ったらびっくりした。遠足、修学旅行を除くと、9割ほどがインバンドの人たちだったのだ。タクシーの運転手も、本当にインバンドが多いと言っていた。
京都でインバンドが多いのは、仕事で新幹線に乗る時も実感していたが、広島でもこんなに多いとは、本当に驚きである。
昔DSPを使った話
ロングランの本格DSP、TI「TMS320」登場に至る長い道のりという記事を読んで、昔の開発を思い出した。TIのDSPを使ったことはないのだが、この記事の中に出てくるμPD7720というDSPは使ったことがある。この記事によるとモデムで使われたらしいが、私が開発したのは全く異なる用途であった。ある計測値を基に補正計算をしなければならないのだが、その計算を一定時間で終わらせる必要があるという、まあ、組み込みらしい内容だ。その計算が、基本的には、積和演算で実行できるので、DSPを使うことにした。今から30以上前のことだ。
当然、開発はアセンブラである。8080とか6800などの、いわゆるマイコンとはかなり異なる命令体系であり、いろんなテクニックを駆使しないと要求時間内に処理を終わらせることができない。たしか100ステップくらいの開発に1か月以上かかっている。命令体系の理解とか、開発環境になれることとかの準備にプラス2か月必要だった。
でも、いわゆるマイコン以外のソフト開発でも開発できるという自信がついた開発であった。