日本美術応援団:赤瀬川原平と山下裕二の記念すべき第1弾

 前にも、この2人の対談集を取り上げたことがある。本書は、そうした数多い赤瀬川原平と山下裕二との対談集の記念すべき第1弾である。この2人は、年齢も20才ほど離れ、この対談で初対面だったらしいが、その対談の掛け合いの面白さは、最初からであることがわかる。よほど、馬が合うのであろう。
 しかも、内容は、日本美術応援団という題名通り、日本美術を題材に、その感想を語りあうのだが、既成概念にとらわれず、素直に自分の感想を語りかける赤瀬川原平の話に応じて、アカデミックに属するはずの山下裕二も、そんな発言していいのだろうか、というような素直な発言をしている。美術というのは、こう見るべきということはなく、素直に見たままの感想でいいのだ、ということ。そこに、少し知識が追加されると、より面白いのだということが、わかる本である。