2016年1月アーカイブ

  塩野七生と言えば、ローマ人の物語だ。あの、超大作を読んだ後では、それ以外の作品は何を読んでも少し物足りない感じがするのは仕方ない。なので、この作品が出ていたことすら知らなかった。文庫本でローマ人の物語を再読してから少し塩野七生から遠ざかっていたからだ。
 本作は、フリードリッヒ二世という1人の皇帝の一生を描くという、過去の作品で言えばチェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷の系統の作品だろうか。1人を描くといっても、その興味の中心は、政治的人間としての行動である。いつもの、カトリック教会ぎらいは徹底していて、中世における教会支配の暗さとそれに対抗しようとして個人としては成功したものの子孫まで考えると結局は挫折した皇帝の一生がよくわかる。

 

 ハヤカワ文庫2000冊の解説である。SFマガジンで3号にわたって掲載されたものを1冊の本にした。この方が一覧性があって便利だ。文庫の目録にも解説はあるが、所詮は宣伝であり紹介でしかない。この解説は、批判的な内容も書かれていて、読み応えがある。
 1巻ごとに解説が書かれているのではなく、シリーズものはまとめられている。まあ、そうでもなければ、ローダンシリーズの解説だけで大仕事になっていまう。
 この本のおかげで、再読したくなってしまった本がたくさんあって困っている。

 

 前回、ゲイトウエイの感想を書いた。久しぶりに再読して、こんなに面白かったのか、と思った。調子に乗って、2も読んだのだが、前ほどの面白さはない。ヒーチー人の遺物の謎が解け、新たな謎が出てくるという設定としては面白い展開なのだが・・・
 やはり、謎は謎のまま、その前で調査を繰り返す人類という話しが圧倒的だったため、それ以降の話しは、どんな謎解きであっても、少し興ざめになるのだろう。

 前に感想を書いたパーンの竜騎士を読み返してから、ちょっと、古い作品を再読している。ヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞作は、今読み返しても面白い。
 この作品は、謎のヒーチー人が残した超光速船に乗って、宝探しをするという内容である。ただ、設定が凝っていて、操縦方法は皆目わからない。目的地も、要する時間も、エネルギーの残存量もわからぬ状態で飛び立つ。
 主人公は、この宝探しに志願した調査員なのだが、即座に冒険に飛び立つと言うわけではない。死亡率も高いので、基地でうじうししているのである。最初にこれを読んだ時には、なかなか飛び立たない主人公にいらいらしていたのだが、再読すると、このうじうじこそが、面白いのである。