2017年3月アーカイブ

 副題は「世界を変えた≪標準革命≫」。ネジは、直径と長ささえあえば、メーカーを問わず使うことができる。この、当たり前のことができるためには、標準というものが必要である。たとえば、ネジについては、ISOで標準が決まっている。
 手工業の時代には、モノを構成する部品は、モノごとに違っていた。これを、たとえばネジという部品に互換性を持たせるというのは、そもそも発想から変換していく必要がある。まさに革命である。標準という考え方がどのように生まれてきたのが。そして、様々な反対にあいながら、紆余曲折しながらも、徐々に鵜世の中に普及していく過程を、具体的な事例で丁寧に追った力作である。

 クラウドを中心としたシリコンバレー発の技術やビジネスの動向がよくまとまっている。間にエッセイとしてはさまれているシリコンバレー事情も面白い。特に、日本企業のシリコンバレー駐在の事情などは、なるほどと思える。
 ただ、題名の「革命」については、書かれていない。何が革命なのかは、よくわからないまま本は終わってしまう。この部分は、少し物足りない。

 この小説を読んで、仮想通貨というものを、技術面ではなく生活面でとらえることができた。といっても、仮想通貨は、あくま、この小説の舞台装置にすぎないので、面白い小説を読んだら、仮想通貨のことまでわかりました、ということなのだが。
 例によって、テンポのいい展開、個性的な登場人物、的確なIT技術描写で、一気に読める作品である。

 まず、書き出しがいい。日本人による日本の理解には、国際日本、大日本、小日本の3種類がある、というところからスタートする。
 そして、各時代で代表的な日本人論について述べるのであるが、実は読まれ方に誤解がある、というところを解きほぐしながら、各古典を正しく解釈した上で、日本人論を語るという労作である。
 日本人論の古典の内容を正しく知るだけでも、この本を読む価値がある。

 賞味期限の短い本の典型なのか、2017年という時点で読むと既にインパクトはなくなっている。同様の議論が、あちこちでされているからであろう。
 たぶん、その発端の1つは本書だったのだろうが、シェアリングエコノミーに関する説明をするために、今では必要のない説明がえんえんと続く。現時点で、これだけのページ数の本を読む価値があるのかは、少し疑問。

 前作では、どちらかと言えば、自ら騒動を大きくしていく主人公マイルズであった。今回は、最初のうちはしおらしく従順に、と思ってはいれも、どんどん巻き込まれ、最後にはやはり、マイルズ自ら仕掛けて大騒動という作品だ。

 主人公が、いつもとは違う、ちょっとした仕事を引き受けるところから始まる物語。うまい書き出しである。それが、どんどん話が大きくなっていく。でも、ちょっと話がぶっとびすぎである。ここまでぶっとぶとSFじゃないの、というところまで話はぶっとぶ。ついていける人には、このボリュームは快感だが、ついていけない人間には、途中下車のボリュームである。

 全8章の中で、記憶のしくみが5章、鍛え方は2章、脳科学に関するエッセイ的な結論が1章という構成である。その中で、しくみに関する記述が、本当にわかりやすい。ミクロなしくみと、それを用いて脳がどのように動くのかというマクロな面をわかりやすく解説してくれている。

 物語は、あれよあれよ、という間に、どんどん大きくなっていく。テンポのいい展開、個性的な登場人物。一気に読める名作である。

 習得ということに関しては、1万時間という時間が一般に使われる。でも、この1万時間というのは、プロになるのに必要な習得時間であり、そうでないスキルであれば、工夫さえすれば、20時間で習得できるとうのが、本書の主張である。
 それはそうだ。プロの料理人になるなら1万時間必要だろうが、ちょっとした酒の肴を作ろうと思い立った時には、短い時間で、食べられる程度には習得したい。それを20時間という短い時間で成し遂げるための考え方とノウハウを書いた本だ。
 総論は参考になる。ただ、各論が、ヨガ、プログラミング、タッチタイピング、囲碁、ウクレレ、ウィンドサーフィンという、今の私には、興味のわかない分野だったので、各論は読んでいない。いくら20時間で習得できても、興味のないことにまでは、読み気さえ起きない。習得の第一歩は、興味なのだろう。