2015年9月アーカイブ

 以前、感想を書いた宇宙の眼と並ぶ多元宇宙SFの古典である。新刊は手に入らないので、古本で買うしかない。宇宙の眼はディックの作品なので、新刊が出たが、本書の著者はフレドリック・ブラウンなので再版される可能性は極めて低い。
 だが、未読の人は、古本で手に入るので是非とも読んで欲しい。文庫本の解説が筒井康隆なのだ。その筒井康隆が、「それにしてもこの作品をこれから読むという人、ほんとにしあわせな人ですなあ。」と絶賛している。
 私は、宇宙の眼よりも、本書の方が好きだ。SF作家が紛れ込んだ多元宇宙の地球では、通貨の単位が「クレジット」であり、月人や火星人も存在する。ワープ航法発見のきっかけはミシンの誤配線。SFのパロディである。この荒唐無稽な世界を、作者自身が楽しんでいる感じがする。気楽に読める古典である。

 

 ダン・ブラウンのラングトンものの第4弾である。謎の組織と、ラングトンと、どちらが先に、隠されたモノを見つけるか、というパターンは、他の3作と全く同じである。また、同じパターンか、と思ってしまいながらも、一気に読める。

 

 ファミコンとその時代という題名は、少し大げさな題名である。もちろん、今のテレビゲームという市場におけるファミコンの果たした役割を考えると、ファミコンとはなんであったのかを今の時点でまとめることは意義があるのだと思う。
 ファミコン以前のテレビゲームとして有名なPONGから、アタリショックという米国でのファミコン以前の歴史をふまえて、日本においてゲームウォッチを経てファミコンが登場した経緯と、その成長を、開発を担当した当事者の証言をふまえ、まとめられている。ファミコンの設計段階において、開発者が何にこだわり、何を妥協したか、など当事者がいなければ書けない内容が満載である。

 半年後、小惑星が地球に衝突し、人類は滅びる。そんな背景の中、周囲が自殺だと思われた事件を、1人の刑事が他殺だと判断し、捜査を始める。
 この設定だけで、思わず読みたくなる。設定はSF的だが、設定以外にSF的要素は一切なく、良質のミステリとして読める。

 

 終戦70年ということで、今年は戦争関係のTV番組が多かった。映画も放映され、遠すぎた橋を久しぶりに見て、上層部の主導権争いによる無理な計画が、現場にどのように悲惨な影響を及ぼすかということを思い知らされた。
 本書は、映画の紹介という形態を取りながら、20世紀における戦争史を簡潔に解説した本である。こんな映画もあるのか、と思いながら、歴史を学ぶことができるという、お得な本である。下手な歴史書よりは、簡潔に読める。