2016年11月アーカイブ

 少し前に感想を書いた本と同じ著者の本である。パックツアーに関するノウハウ本では、今や、第一人者と言えるのではなかろうか。基本は、今まで書かれていたことの焼き直しではあるが、新しい航空路線の変化に対応した内容になっている。こういう本の、基本的な考え方の部分は変化ないが、情報的な部分は変化があり、それについて丁寧に対応されている。
 本書で大きく取り上げられている旅行地のうちの1つは、ハワイは時差が大変で、初心者には意外に難易度が高いというのは、私も実感がある。時差ぼけ対策に飛行機でひたすら寝るというのは、あまり賛成できないが。

 

 ヒッグス粒子で一躍有名になったCERNを筆頭に、取材ならこんな所まで見学できるのか、とうらやましくなるような場所に足を運んでいる。カラー写真もきれいた。
 でも、今一つ、現場のすごさ感が伝わってこない。写真などなくても、現場のすごさが伝わってくる山根一眞のメタルカラーの時代のような読後感がない。結局は、見学感想文になってしまっている、ということなのだろうか。題材は素晴らしいのに、料理によって、かなり読後感が異なることを実感した。

 

 塩に関して、塩の作り方や、専売の歴史、塩を使った食料など、ありとあらゆるエピソードが満載である。
 でも、それだけである。歴史の中で果たした役割が、わかりにくい。たぶん、これらのエピソードが語られる歴史に関する知識不足からくるのだろう。海外の著者の書く歴史本を読むことは難しい。

 

 電車の中で読んでいて、久しぶりに電車を乗り過ごしてしまった。これほど、一気に読める本は久しぶりである。
 幼い頃の事件のため口をきけなくなった金庫破りの名人という設定が素晴らしい。しかも、特定の犯罪グループに所属するのではなく、金庫破りの専門職としてのみ登場する。複数のポケベルを所持し、どのポケベルに依頼がかかってくるかで、その依頼人のレベルがわかるしくみになっている。
 本当にあるかのような設定の中で、スピーディにストーリーが進む。読後感も、すっきり、という最高のミステリである。

 著者のサイモン・シンは、フェルマーの最終定理で、数学の内容をうまく説明した本を書いた著者である。さすがの内容に仕上がっている。
 エニグマ暗号に関しては、いろいろな本で扱われてきたが、この本のように、どのような仕組みの暗号で、どのように解読されたかをきっちり説明した本に初めて出会った。
 線文字Bの解読は、若い頃、線文字Aは解読されていないが、線文字Bは解読されている、という話を何かの本で読んだが、なぜなのかは、その本には書いていなかった。本書で、初めて、そういうことだったのか、ということを知った。

 前から感想を書いているパーンの竜騎士シリーズの、日本語訳がある中での完結編に近い作品。南ノ大陸でコンピュータが発見され、そのコンピュータに導かれて、糸胞の襲来を阻止するプロジェクトが立ち上がる。
 いかにもSFらしい作品である。と同時に、その中心人物が、レサ達の世代ではなく、ジャクソムの世代であり、世代交代の物語でもある。

 

 ブルーバックスの中では、少し難しい部類に入る本だが、遺伝子、ゲノム、DNA、タンパク質、細胞、細胞内小器官と順に説明されていて、生物がどのように構成されているかを構造的に理解できる。難しい話は、全てコラムになっていて、その部分は理解できなくても次へ読み進むことができるのも、親切である。本の構成も構造的である。