パーソナルコンピューティングの30年:まさにパソコンの歴史

 日経パソコン創刊30周年特別編集ということで、2013年に出版された本だ。初期の頃からパソコンを触ってきたので、どんな30年だったのだろうという、少しノスタルジックな興味にひかれてこの本を購入して読んでみた。正直言って、読み物としての出来はあまりよくない。日経パソコンの各号の紹介があるという意味では資料集的な要素がある。だが、一方では、その年のトピックスを2ページでまとめた読み物的な要素がある。少しよくばりすぎて中途半端な印象を与えているのである。
 ただ、それぞれの年でどのようなPC関係のトピックスがあったのか、ということを振り返るには良い本にできあがっている。何よりも、古くからパソコンをさわってきた人にとっては、なつかしい内容である。この手の本で、回想的な内容の本はあるが、こうした年度ごとにまとめられた本は意外に少ない。
 組み込み技術者の単身赴任日記の方でも、不定期でこの本の内容から思い出した私の思い出を書いたりしている。たとえば、長年愛用したPC9801に関しては、この記事で触れている。