ゲームの王国:脇役の不思議な登場人物

 ポルポト時代にカンボジアが舞台という、かなり変わったSFである。主人公2人は、いかにもSFの主人公という感じである。この2人を中心に、暗黒の時代を生き抜く。
 だが、脇役が圧倒的な存在感がある。輪ゴムで将来が見える子供、土を食べる男、なんというか、本当に不思議である。

インテル 世界で最も重要な会社の産業史:前半は本当に面白い

 私はZ80が登場した頃に、マイコンを触りだした世代である。第1世代ではない。でも、16ビットマイコンなど影も形もなく、モトローラもそれなりに勢力があった。現に私は、インテル派ではなく、モトローラ派であった。マイコン回路設計も、アセンブラもモトローラの6800で勉強した。
 マイコン初期には、インテルがこれほど圧倒的になるとは思われていなかった時代がある。この本の前半は、そんな時代の話だ。インテルが16ビットマイコン8086を出したすぐ後でモトローラが68000を出す。マイコンの性能としては68000の方が圧倒的に優れている。でも、それをマーケティングの力で抑え込む。ハイテク産業といえども、技術力だけの世界ではないことがよく分かる。