ハーモニー:現在版のアンチユートピア小説

 虐殺器官で有名な著者のSF。一種のアンチユートピア小説である。この世界ではメデッケアという装置が個人個人の健康を管理し、それぞれにふさわしい薬物を提供してくれることによって、健康な生活ができるのである。だがその世界は逆に言えば息苦しい世界でもある。アンチユートピア小説の定番で、その息苦しさから逃れる主人公を中心に話は進む。
 他のブログでも書いたのだが、IoT技術が変な方向に行きすぎると、同じような世界が出現しないとも限らない。