2015年11月アーカイブ

 以前、感想を書いたパーンの竜騎士シリーズの第3巻である。前の感想では、少し勢いがないということを書いたが、この巻は再び、勢いを感じる。それは、ひとえに白い竜という設定にある。作者が編集者から「白い竜」というタイトルの続編を書くべきと言われたとあったが、本当に素晴らしい助言であった。

 

 こんな危険な状況の中でも鉄道に乗るのか、という驚きの鉄道紀行である。私は、鉄道ファンではないので、この気持ちはわからない。でも、そういう人がいるおかげで、世の中にはこんな鉄道があるのだ、ということを知ることができる。
 たとえば、フィリピンには、鉄道に向かって石を投げる習慣があるという。だから、窓には網をつけないと窓ガラスはなくなる。こんな習慣があるとは知らなかった。
 チャレンジの度合いも半端ではない。クーラーのない車内よりも、屋根の上の方が快適なところでは、筆者も屋根の上に上がる。地雷原を走る鉄道にも乗る。復路のことが気にかかりながらも、その日には帰れない鉄道にも乗ってみる。
 ただ、写真がないのが残念だ。少し値段を上げても、写真入りにすべきであった。

 以前感想を書いた竜の戦士の続編である。いろいろことが起こり、糸胞との戦いも少し進展するのだが・・・。前作ほどの勢いはない。作者のうまさで書いているという感じがする。

 

 4章から構成されるSFで、それぞれの章は趣の異なる内容になっている長編SF。最初の章は、すばらしい内容で、このまま引っ張って行くのかな、と思ったら、違う趣になる。これが好きな人はいいのだが、私は少しがっかりである。最初の章がよかったので、最後まで読んだのだが、全体としては、どうなんだろう?

 

 あまり日本のSFは読まない。しかも本作の表題が、なんとなく最近のアニメっぽい題名だったので、避けていた。もっと早く手に取ればよかった。
 日本もテロが続発する近未来という設定、犯罪者も警察も機甲兵器を使うという設定という点では、明らかにSFである。でも警察という組織の闇の部分も含め描かれるという意味では、警察小説である。テロを阻止するメインストーリーは、クライムサスペンスだ。
 その、どの側面から見ても、素晴らしく骨太のエンターテインメントである。

 

 あまり短編は読まない。でも、表題作が、ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞の三冠の作品ということで、手に取ってしまった。確かに、紙の動物が動き出すところが眼に浮かぶような、情緒あふれる作品だ。
 これ以外の作品も、一気に読ませるというよりは、ゆっくりと読むことが似合う作品が多い。久しぶりに、短編らしい短編を読んだ、という感想である。