日本語を、取り戻す。:筆者がどんどん常識派になってくる

 小田嶋隆のエッセイは好きで、単行本が出る都度読んでいる。最初の頃は、少し毒がある内容が面白かった。今でも毒はある。でも、その毒が、どんどん常識派になってきた。逆に言えば、今の世の中の一部の動きが、なにか変な方向へ行っているということなのかもしれない。

三秒間の死角:潜入捜査に協力した元犯罪者

 テンポ良く一気に読める。潜入捜査に協力するため、政府高官の約束まで取り付けて、巨悪犯として牢獄に入るが、途中で政府に裏切られる。その裏切りからいかに逃げるかという物語だ。
 次々と障害が襲いかかる。ただ、なぜか切迫感が感じられない。そこが少し残念なあところである。