歴史というのは過去のことである。だから、変わらないかというとそうではない。歴史の見方は変わるのである。今の時点での日本史の世界で注目されている論点を時代別にまとめた書である。こういう書は少ないので、得がたい。でも、時代ごとに著者が異なるので、文章のトーンが違いすぎて読みにくい。もっとも、1人で書ける学者がいるわけもない。時代別に分けざるを得ないのは仕方なのだが。面白いところは面白い。
月別: 2021年5月
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン:表紙のイメージと内容が違いすぎる
力石徹のモデルになった男
還暦からの底力:ちょっと期待と違う内容だった
メインテーマは殺人:作者が活躍
カササギ殺人事件の作者の、新機軸のミステリー。作者がワトソン役という意味では、古典的なのだが、ワトソンではなく、コナンドイルがワトソン役をやるのである。
つまり、この作品では、作者のホロヴィッツが、その名前で出てくる。しかも、そのホロヴィッツは、アレックスシリーズの作者であり、刑事フォイルのシナリオもやっていたりと、本当のホロヴィッツがやっていることが描かれている。どこまでが本当かわからないという本来の殺人事件の謎意外の謎まであるのだ。
推理そのものは古典的だが、この趣向が楽しませてくれる。