このシリーズも、そろそろマンネリかな、と思っていたら、今度はいきなり放火事件だ。放火事件の捜査が、過去の事件と交差する。新しい事件が、古い事件と交差し、主人公に危機が迫るというのは、いつものパターンだが、放火事件という今までにない事件を持ってきたところが、読ませてくれる。

 サラリーマンにとって怖い本である。私腹をこやすために不正に手を染めたのではない。出世欲という私欲はあったのだろうが、それは同時に会社のためになると思ったはずだ。
 この本は、いろんな側面で語ることが可能な本だろう。私は、政府頼みの事業が、会社の正常な判断を蝕んでしまう怖さを感じた。普通の感覚なら、絶対にしないような事業判断を、政府の後ろ盾があるのだから、ということで下してしまう。現場とは、完全にかい離されてしまった世界だ。
 今や、政府は大赤字である。はっきりいって、普通の企業なら倒産している状況だ。そんな経営しかできていない政府の言うことを聞いて、その政府の援助をあてにするなんて、民間企業の経営者としては失格だろう。現場で起きていることをはっきりと認識してほしいものである。

 高校生が、一夜明けると、中年の女性になっている。周囲の時間は、ちゃんと進んでいて、一夜明ける前の、自分と同じ年の娘までいる。
 こんな設定の小説が、違和感なく、読ませてくれる。この読後感はなんといえばいいんだろう?ちょっと不思議な読後感である。

 前作で、少しパワーダウンしたかな、と思っていたら、本作はよかった。かなり意外な展開で読ませてくれる。謎解きは、ちょっと唐突だが。
 CSIなどのドラマで有名な、指紋検索のAFISは、本作が出版されたころに出てきたんだ、というのは、余計な感想です。

 スティーヴン・キングのミステリーというだけで、面白いに決まっている。そして、その期待がそむかれることはない。
 退職した刑事が、未解決の事件を追う。追われる方も、最初から登場する。そこに、からんでくる人々。なんとなく、展開が見えてしまう部分もあるのだが、さすがに、そういう部分があっても、緊迫感はなくならない。

 会社が消える日と同じ著者だったので、読んだのだが、いろんな企業の話がつまっていて、少し表面的な感じをうけた。NTTと東電を頂点とする企業連合の絵は、非常にわかりやすい。
 SONYの出井元社長に対する評価は興味深かった。SONY凋落の戦犯として有名な経営者だが、創業者社長たちの後のサラリーマン社長という立場がSONYという会社のかじ取りを難しくしたという指摘は、うなずけるものがある。

 連続殺人鬼ゴールトとの死闘に、ついに決着がつく。3巻に渡って繰り広げられた警察との死闘は、ゴールト3部作とでも呼べるほどの、迫力に満ちた話だ。
 ハードボイルドな迫力ではなく、常に自分達を監視し、1歩先を行っている犯人がが迫ってくる恐怖の迫力である。

 私は昔の人間なので、朝、新聞を読まないと、その日がスタートしない。月曜日の休刊日は、リズムが狂う。
 なので、ネットニュースを見ることはないが、周囲はLINEニュースでニュースを知る人が結構多い。そんなネットニュースのビジネスと、内容の実態を、昔ながらの取材で明らかにしていった労作である。
 本当の諸悪の根源は、どんなサイトでも、公告を出して広告料を払うというビジネスの方なのではないか、とも思う。今のネットビジネスは、結局、公告しか収入源がない場合が多いからだ。なぜ、偽ニュースの温床にまで公告を出したがるのが、または出してしまうような構造のなっているのか、そのあたりの実態の解明も期待する。

 冷凍睡眠から甦った士官が、長い戦争の中で戦術を忘れてしまっていた艦隊の指揮をとって、勝利に導く、というありがちな設定でありながら、圧倒的な戦術記述により、面白い小説にしてきた本シリーズ。
 第2シーズンは、異星人がたくさん出現し、どう収拾するのだろう、と思っていたら、収拾せずに完結してしまった。しかも、原作の方は、この後の展開ではなく、第1シーズンの前を描くという。何だかなあ。原作者も収拾できなくなって放棄してしまったのではないだろうか。

 シリーズ第4弾。読んでいるうちに、主人公の恋人が爆破事件に巻き込まれて死んだという話が出てくる。エッ?シリーズを読み飛ばしてしまったのか?と思ったのだがそうではない。3巻と4巻の間に起きた事件だったようだ。ふつうは、こういう事件は小説の中で中心的に扱われるだろうと思ったのだが、このシリーズでは、そうではないようだ。
 あくまで中心は事件であり、事件と事件の間に起きた主人公たちのできごとは、背景でしかない。
 それにしても、今回の事件の設定は素晴らしい。死刑執行後に起きた殺人事件で、この死刑囚の指紋が検出される。なんとまあ、である。どう解決するのか、と思ったら、うまくまとめている。さすがの手腕である。

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