ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか:ソーシャルメディアが現代社会に入り込んでいる状況がよくわかる

 私は中高年世代だ。インターネットや携帯電話は、社会人になってから使い始めた。ブログは書いてはいるが、SNSはやっていない。どちらかというと、人見知りのするタイプの典型的理系人間である私にとって、SNSを始める気になれなかった。
 ツールというのは、子供の頃からあるものと、若い頃に出会うものと、社会人になってから出会うものとで、使い方が異なる。子供は大学生だが、彼らの使い方は、私とは全く異なる。
 そういう意味では、この本は、私と同じ世代の人間から見たソーシャルメディア論にすぎない。でも、その内容は、中高年にとっては衝撃的なものである。いろいろなエピソードは、断片的には知ってはいるものの、こうして整理されて提示されると、今後の日本はいったいどうなるのだろう、と思ってしまう。
 でも、新しいツールというのは、使いこなすのに時間がかかるものだ。最初は、いろいろな問題も出るだろう。でも、そのうちに適切な距離感を持って使いこなせるようになるものだ。現時点では、気持ち悪い使い方がされているのだろうが、時間が経てば、それなりに落ち着くのだと思う。