2016年5月アーカイブ

 古いSFで、前にも感想を書いたが、いよいよヒーチーが本格的に登場する。さらに後半にはブラックホールに閉じ込められたクララも登場する。2では、少し話しが破綻した感じがあったが、本作はうまくまとめられている。ただ、謎は全く解明されずに終わる。また、古本を買って、続編を読まなければならない。

 

 前作はライザの過去が交錯したが、今回は、もう1人の主人公であるユーリ・オズノフの過去が交錯する。前作に比べて、この交錯した部分の効果が少し薄れている。前作と同じパターンなので、自分の過去に復讐されるという小説のパターンもまたわかってしまうからである。
 だからといって、面白いわけではない。少し強引な展開になりそうだとは思いつつも、読まされるだけの筆力はさすがである。

 前に感想を書いた「地上最後の刑事」の続編である。今回は、地球滅亡まであと77日と迫っている。主人公は既に刑事ではなくなり、社会も崩壊寸前である。そんな中、昔ベビーシッターをしてくれていた女性から、夫の行方不明の捜索を頼まれる。
 前作ほどのインパクトはないが、移動手段が自転車しかなくなった社会で、なんとか依頼を達成せいようとする主人公の行動は、読ませるものがある。

 

 筆者の古川亨は、日本マイクロソフトの元会長で、日本のPC史の中心人物の1人である。マイクロソフトとしての氏の印象が強く、ASCII時代からこんなに活躍していて、かつ、こんなに技術オタクの人とは知らなかった。
 マイコンからパソコンへの変化の時代に、ASCIIという技術オタクたちの集まりが、当時の日本での最先端であり、そこで起きたことが、どのような人々の情熱で成し遂げられたことなのか。そして、そこで活躍した若者が、どのようにASCIIから巣立っていったか、もよくわかる。
 本書の最後に、この若者達の情熱を再び、と思っていることが綴られている。これが、「僕が伝えたかったこと」なのだろうが、本書で本当に伝わるのだろうか?膨大な註が本文のあとについているが、あの時代を知らない世代には少しわからないことも多いように思える。本書を読んだ大人達も、あの時代の息吹を体感したことのある世代は、そろそろ企業は引退している世代だ。あと10年早く本書を出した欲しかったと思う。