星を創る者たち:地味な短編ハードSF

 太陽系の惑星や月で基地建設などの土木工事をする技術者達を描いたハードSFの短編集。
 この小説のトーンは、登場人物の次の言葉に集約されている。

 前例を作るのは我々であり、責任を負うのも我々なのです。技術者という職種は、そのために存在するといってもいい。

 前例踏襲、事なかれ主義では、現場は何もできない。現場というのは、常に前例のない事象が発生するものだ。
 短編集の最後の方は、こういう現場技術者の話から少しはずれて、サービス満点の話しになる。私としては、最後まで、この地味なトーンの方がよかった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。