四神の旗:不比等の子供たちの物語

 不比等を描いた比ぶ者なきの続編。藤原不比等なきあと、不比等の子供たち4人の物語。兄弟の1人1人の行動を丹念に追っていく。一方で、不比等の妻として不比等の右腕的役割を果たしてきた三千代は、藤原氏ではなく自分の子供と自分の氏族のために動く。
 前作に比べると主人公が分散されてしまったため、少し緊迫感に欠けるが、逆に4人が主人公のため一直線でない紆余曲折の部分が面白い。

三分間の空隙:三秒間の死角の主人公が再び

 三秒間の死角の主人公達が再び活躍する。麻薬の潜入捜査、政府上層部の約束が保護にされ主人公が独力で自分の命を守る、という流れはほぼ同様である。だからといって、面白くないわけではない。前作と同様、一気に読める。ただ、次々と襲いかかる危機に、あまり切迫感が感じられないという部分も前作と同様である。