TV番組「ぶらぶら美術・博物館」で、わかりやすく解説してくれる山田五郎の著書。全体の流れを解説した後、主要な画家と作品を、1人1作品4ページで紹介してくれる。著者のコメントも楽しく、入門書として抜群の面白さだ。
カテゴリー: その他
力石徹のモデルになった男
清張地獄八景:みうらじゅんの独壇場
探検!東京国立博物館:展示だけでなく建物の話も
博物館や美術館の本は、大抵の場合、展示内容の紹介が大部分を占める。だが、本書は。探検という題名からわかるように、国立博物館の書く建物を探検する本なのである。当然、その中で展示物も紹介されるが、建物の話も多い。
バルタン星人を知っていますか?:ウルトラマンでバルタン星人のエピソードの監督だった飯島監督の自伝
へ~、TVドラマって、こんな風に作られていたんだ、特撮って、こんなに大変なんだ・・・。この手のことに知識のない私には、びっくりの話ばかりである。
ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン、そして泣いてたまるかのエピソードは、子供の頃にリアルタイムで見てきた人間には興味深い。どんな分野でも草創期というのは、熱気があるものである。本書でも、TVドラマ、特撮ドラマの草創期の熱気が感じられる。
「世界の名画」謎解きガイド:有名な絵画に秘められた謎を面白ろおかしく解説
ここでいう謎とは、絵画の構成とか色とかいった絵画そのものの謎ではなく、モデルは誰かとか画家の生活は、とかいった雑学的な謎である。なので、絵画を鑑賞するための謎ではなく、へ~、というような謎解きである。でも、そういう雑学が、面白く絵画を鑑賞するための一助となることも確かである。モンクの有名な絵のモデルが実はミイラだったのではないか、とか、面白い話が満載だ。
地図がわかれば社会がわかる:地図に関する多角的な話題
地図に関する本は、意外に範囲が狭い。地図の歴史だったり、地形に関する本だったり。でも、この本は、スマホアプリ、ハザードマップ、地理院地図、地図の歴史、地名表記、地図投映法、など、多角的な観点で解説されている。
地図を実用的に活用する方法と地図に関する教養が学べる本である。
レーニン対イギリス秘密情報部:事実は小説よりも奇なり
ロシア革命前後の、イギリス情報部の闘いを描くノンフィクション。小説ではないので、緊迫したシーンがあってドキドキするということはない。でも、こんなことを本当に実行してきた人間がいるんだという驚きでいっぱいである。
司馬遼太郎 幕末~近代の歴史観:MOOKにしては難しい
司馬遼太郎関係のMOOKが出るとつい手に取ってしまう。本人が死去してから新しい作品が出版されるわけではないが、MOOKだと気軽に司馬遼太郎の作品関連を追体験できるからだ。
でも、本書は少し難しい。文藝の別冊だからだ。私のような気軽な読者にとっては、読むところが少ない。もっと、写真の多い、気軽なMOOKの方がやっぱり好みである。
僕が伝えたかったこと、古川享のパソコン秘史:あの時代の最先端での情熱と出来事が垣間見れる
筆者の古川亨は、日本マイクロソフトの元会長で、日本のPC史の中心人物の1人である。マイクロソフトとしての氏の印象が強く、ASCII時代からこんなに活躍していて、かつ、こんなに技術オタクの人とは知らなかった。
マイコンからパソコンへの変化の時代に、ASCIIという技術オタクたちの集まりが、当時の日本での最先端であり、そこで起きたことが、どのような人々の情熱で成し遂げられたことなのか。そして、そこで活躍した若者が、どのようにASCIIから巣立っていったか、もよくわかる。
本書の最後に、この若者達の情熱を再び、と思っていることが綴られている。これが、「僕が伝えたかったこと」なのだろうが、本書で本当に伝わるのだろうか?膨大な註が本文のあとについているが、あの時代を知らない世代には少しわからないことも多いように思える。本書を読んだ大人達も、あの時代の息吹を体感したことのある世代は、そろそろ企業は引退している世代だ。あと10年早く本書を出した欲しかったと思う。