旅の流儀:名著「パリ 旅の雑学ノート」の著者の旅エッセイ

 玉村豊男といえば、「パリ 旅の雑学ノート」である。30年以上も前の新潮社文庫版を今でも私は持っている。こんな風に旅の記録を残したいと思ったけど、そんな才能は私にはなかった。
 その後、ワイナリー経営に転身したりして、旅に関する著書を見かけることがなかった。久しぶりに、玉村豊男の旅に関する著書ということで、手に取った。あの、旅の雑学ノートの勢いはないが、自分流の旅を、あっさりとした文体で書かれていて、年を取ったら旅というのはこうなるのだ、ということがよくわかる。雑学ノートは作れなかったが、自分なりの旅の流儀は作ってみたいものだ。