さすがにITに強い作者である。本作は、同じ主人公が登場するが、基本的には短編である。長編も読み応えがあるが、ジャストアイデアをうまくさばく短編も面白い。
月別: 2019年12月
血管を強くする1分正座:これならできそう
amazon帝国:同僚が倒れているのに救急車を呼べない職場には勤めたくない-たぶん同じ人間と思ってないんだろうな
仕事の捉え方、給与水準、待遇、などの面では、いろんなとらえかたがあるだろう。一方的に、amazonという会社は、とは思わない。
でも、会社の倉庫で人が倒れていて、救急車を呼ぶのに、上位者へ情報を回していって、実際に救急車が来た時には手遅れになるという実態は寒々とする。アルバイトは、携帯電話を持って入れない。でも現場のリーダーは、仕事で携帯電話を持っている。そのリーダーは、救急車をすぐに呼べたはずなのに、権限外ということで、上位者へ連絡する。その上位者も、その上位者へ連絡する。という連絡リレーのあげく、救急車の到着が遅れる。しかも、こういう事態を改めることなく、何度も繰り返し、事態そのものを隠蔽している、という事実だけは許せない。人の命だよ、どうして、そんなことになるんだろう。結局は、上位者は、アルバイトを人とみていないのだろう。少なくとも、こんな会社には勤めたくない。
正直観光案内:参考になるような、ならないような
YS-11:熱い開発の物語
YS-11という国産機の開発物語である。本当に熱い。技術者達の苦闘がわかる。ここまで頑張ったYS-11は、後継機種を作られることもなく、そのまま歴史に消える。
技術者達の闘いは本当に熱い。でも、客観的に見て、本当に、旅客機という技術が日本に必要なのか、という気にも
させられる。
YS-11のような技術を廃れさせた国はバカだと思っていた。この本を読んでも、腹が立つ。でも、今は、冷静に考えると利用技術こそ重要な時代のような気がする。国をあげて、もの作りを応援する時代ではないのかもしれない。
現在、パイロットが不足している。これは、頑張って養成して欲しい。利用側の人材は重要だ。これを失うわけにはいかない。でも、飛行機そのものはどうなんだろう?海外から買ってきても、たぶん問題ない。全てのものを国産でまかなうなんて不可能だからだ。
コンピュータのハードウエアよりも、ソフトウエアだ、というのと同じような構造なのかもしれない。