竜の戦士(パーンの竜騎士1):いろいろな伏線が生きている

 少し前に、古本でしか入手できない本の感想を書いたが、これも古本でしか買えない。とはいえ、ヒューゴー・ネビュラ両賞受賞作なので、古本もかなり流通していて、簡単に買える。
 実は、TVで映画「エラゴン 遺志を継ぐ者」を見て、人間とドラゴンとの関係が、このパーンの竜騎士とよく似ていたので、急にこの作品が読みたくなったのである。シリーズものの例にもれず、シリーズの中でこの作品が最も面白い。
 竜と騎士との関係、赤の星とそれにまつわる伝説、今や廃れてしまった伝統を盛り返そうとする若い指導者、など、いろいろな要素が、うまい伏線とともに、小説として成立している。