学歴という微妙な話題を、個人的な観点から文章にできるというのは、この著者くらいであろう。学歴で差別してはいけない、高学歴だからといって仕事ができるとは限らない、等、一般論として学歴を語るのは簡単だ。
でも、ここでは、学歴に含むあんなことや、こんなことを、いろんな側面から、個別論として語っている。初出はかなり前なのだが、今でも、なぜか、そうなんだなあ、と思ってしまう本だ。
カテゴリー: エッセイ
日本語を、取り戻す。:筆者がどんどん常識派になってくる
交通誘導員ヨレヨレ日記:大変な仕事だなあ
定年後の転職活動をしていた時に、就職サイトに登録した。何せ、年齢が年齢だから、こちらから積極的にアプローチするしなない。そんな中で、こちらからアプローチしなくても勝手にオファーが来るのが、警備会社とタクシー会社であった。本当に人が不足しているのだなあ、と思ったことを覚えている。
この本を読んで、正直な話、警備会社に応募しなくてよかったと心から思う。仕事は何でも大変だが、体力だけでなく精神的にも大変で、給料も高くないというのは、本当に大変な仕事だと思う。
交通誘導という仕事のできる範囲と、できない範囲があるのだということは、知らなかった。なんて非効率な誘導なんだろうと思うこともあるが、そんなことは仕事の範囲ではないことも多いようだ。少なくとも、イライラすることだけはやめようと思った。
名作うしろ読み:さすが齋藤美奈子
定年後の暮らしの処方箋:サラリーマン視点が参考になる
老後ぐらい好きにさせてよ:さすがに、ちょっとワパー不足?
文庫本解説ワンダーランド:題材の新鮮さとそれを調理する技の冴え
文庫本には大抵の場合、解説が載っている。翻訳本の場合は、翻訳者のあとがきだ。私は、本編を読む前に、解説やあとがきを読むタイプである。
でも、本書のように、その解説が、批評の対象になるとまでは思わなかった。本書の内容紹介にあるように、オマケだからだ。だが、オマケそのものの魅力というものも確かにある。オマケを題材にするという着想の時点で、題材としては、類書にはないものとなった。
だが、いくら題材がよくても、この題材は、調理するのが難しい題材だ。それをさばく著者のあざやかな技には驚くしなかない。
実は今回が、斎藤美奈子という著者の本を読むのが初めてである。これだけの熟達の技のある人の本を今まで読んだことがなかった。残念であると同時に、今から読めるという楽しさもある。絶版になっている本も多いが、図書館でなら、かなりの本を貯蔵しているようなので、読んでみたい。
60歳からの勉強法:和田秀樹の持論が多すぎるが
自分が高齢になるということ:ボケよりもウツの方がつらい
相変わらずの和田秀樹調である。ボケは、ボケている本人にとっては、そんなに不幸せではない、という。一方、ウツはつらいらしい。
日本人は、とかく、他人に迷惑をかけるかどうかが気になるが、そんなことよりも、長生きしてきた自分にとって幸福感を感じるかどうかの方が重要という指摘は、その通りなのかおしれない。でも、やっぱり他人に迷惑はかけたくないが。
人生の手引き書:年配者の説教は年をとってから身にしみる
若い人に読んで欲しいという趣旨のレビューが多い。その通りだと思うが、若いころに手にとっても、説教臭いと思うだけかもしれない。もちろん、著者が述べていうように年配者からの説教をまとめたのだから当たり前かもしれないが。
私も、中高年だ。そして、この手の本の書かれたことが身にしみるのは、実は中高年になってからなのかもしれない。著者のように、若いころから素直に耳を傾むけることができたら、もっと、まともな人間になっていたのだろうなあ、と思う。でも、今からでも遅くないのだ、きっと。